私の不眠の原因は、発達障害の薬の副作用でしたが、身の回りには看護師で不眠に悩まされているヒト、結構います。
交代制勤務で「短時間でも寝ないといけない」というプレッシャーの中、日勤業務の慌ただしさに興奮した脳を強引にシャットダウンさせるために、睡眠薬を内服して働く人もかなりいます。

そこまでして働かないといけないのか、と戦慄した記憶が。。。
というわけで、今回は看護師の不眠問題に個人的な意見を投げつけていきたいと思います。
看護師が知っておくべき「不眠」の最新情報
不眠に関するニュースや不眠対策に関する情報をまとめていきます。
看護師の不眠に関する新着ニュース
不眠のパターンと熟睡障害の解明
- 朝に「ぐっすりと眠った」感覚が得られない場合、これを「熟睡障害」と称する。
- 熟睡障害の原因には、眠りの浅さ、中途覚醒、ストレス、うつ病、夜間頻尿、飲酒の影響などが考えられる。
- 短期間の不眠は問題とならないが、長期に渡る場合は日中のだるさや眠気、気分の悪さといった症状が生じる可能性がある。
睡眠時無呼吸症候群について
- 「睡眠時無呼吸症候群」とは、睡眠中に一時的に気道が塞がり、呼吸が止まる症状を指す。
- この症状に関連して、いびきの問題も考えられる。
- いびきがうるさいと指摘される人、もしくはいつもいびきをかく人は、この症状の可能性が高まる。
注意喚起
- 熟睡障害が長期間続くと、後に重大な健康問題へと繋がる可能性がある。
- 症状が続く場合は、医師の診断や相談が強く推奨される。
看護師には不眠が多い
まずは、看護師の不眠問題に関する情報を列挙していきます。
交代制勤務は睡眠障害
交代勤務者の8割に睡眠障害があり、6〜20年の勤続年数があると3割程度にうつ病がみられます。
また、日本看護協会のHPにも、交代制勤務の禁忌事項がまとめられており、「うつ病の既往」が相対的な禁忌事項として挙げられています。
当たり前ですが、うつ病患者にとって「休める時に休めない」環境はかなり厳しい。

一方でうつ病患者はクソほど真面目ですから、一度働き始めたら「つらい」とか訴えることができないんですよね。。。
交代制勤務と鬱病の関係
一応、補足で説明しておくと、不眠を主訴に持つ患者の20%以上がうつ病と診断されており、うつ病患者の90%以上は不眠症状と闘っています。そして、不眠は自殺と密接的な関係にあり、疫学的にも不眠症状によって自殺リスクは2倍近く上昇すると考えられています。
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/web/15/403964/020200031/?P=2
抑うつ気分から不眠になるのか、セロトニンなどの神経伝達物質が悪影響を及ぼしているかは定かではないものの、抑うつなどの気分障害は高い自殺率をほこるため注意が必要です。

看護師は責任感が強く、ある意味で行動力も高いので、えいっ、と自殺を完遂するパターンも多いと聞きます。(看護師の人口が多いというのもありますが)

変な話、私のようなチャランポランだとつらければえいっと仕事を辞めちゃいますが、仕事に埋没するほど思考が「仕事」に占有されてしまい、解決策が「自殺」になってしまうんですよね。。。
不眠と労災
ちなみに、不眠で労災認定されるか調べたところ、精神障害であっても労災認定要件を満たせば認められます。
睡眠状況を調べるために
客観的に睡眠状況を調べるための検査などもあります。

つらくて辞める仕事なら受診してもいい
仕事を退職することを考えていたら、一度、根本的な原因を見つめ直し、精神障害の可能性があれば受診しておくことをお勧めします。
- 認定基準の対象となる精神障害を発症していること
- 認定基準の対象となる精神障害の発病前おおむね6ヶ月の間に業務による強い心理的負荷が認められることお
- 業務以外の心理的負荷や個体側要因により発病したとは認められないこと
不眠症で労災は認定されるのか
ややこしいところだけかいつまんで説明すると、今回の不眠の場合は、不眠症単体での認定は難しいと考えられます。
しかし、高確率で不眠症状は感情障害(鬱病)を併発している可能性があります。精神科医も誤診とならないように検査しますが、仕事に影響するような不眠状態は重大な精神疾患が潜んでいる可能性も高く、何にせよ精神科・心療内科の受診案件となります。
心理的負荷とは
心理的負荷を客観的に評価することは難しいですが、ある程度の基準は定められています。もっとも客観的に負荷を判断しやすいのは「長時間労働」です。看護師の場合は勤務体制の時点で心理的負荷の高い勤務とされているので、この点は簡単に認められると思います。
業務以外の要因
精神疾患は、遺伝や環境の関連も否定できないものです。因果関係を紐解くことは困難ですが、業務外に「家族問題」や「精神疾患を持つ身内」が多い場合には業務以外の誘引が強く疑われるため、労災認定とならない可能性があります。
不眠によって引き起こされる病気
脳・心血管疾患のリスク
睡眠不足でもっともわかりやすいリスクは、循環器系の疾患ですね。6時間未満の睡眠は高血圧リスクが2倍以上高く、狭心症や心筋梗塞の有病率が上昇します。4時間にかでは冠動脈性疾患による死亡率が、健康的な睡眠をとっている人の約2倍になると厚生労働白書に記されています。
ホルモンバランスの異常
ついでに、ホルモン系のバランスも崩れるとされています。
糖尿病リスク
インスリン分泌量自体の変化はないとされていますが、不規則な食習慣隣血糖値の上昇度が激しく高まるとされています。睡眠障害も関連しており、交感神経系が緊張することで、インスリン抵抗性が高まるとされています。
成長ホルモンの分泌が低下
成長ホルモンは下垂体から分泌されるホルモンですが、睡眠が不足することで分泌量が減り、肌艶が悪くなり体の回復が遅れるなどの影響があると考えられています。
免疫力の低下
あげたらキリがないな、と思い始めたところですが、睡眠が不足すると免疫系も弱ります。加えて、免疫系が働くことで体は眠たくなるようにできているのですが、無理な勤務を続けることで風邪の治りも悪くなるという悪循環を引き起こします。

30歳超えたあたりから、夜勤で風邪ひくと2週間くらい引きずってたよね。。。
ナルコレプシー
ナルコレプシーは、日中に異様に眠くなる疾患です。原因は諸説ありますが、別記事にも少しまとめてあったのでそちらを参考にしてみてください。
看護師の不眠対策
不眠対策という名の、看護師が眠れなくなることに対するメモ的なもの。
交代勤務睡眠障害
先ほど、交代勤務がヤベェという話をしましたが、「交代勤務睡眠障害」というものが存在します。
交代勤務のために睡眠時間帯が頻繁に変化することにより、睡眠をはじめ精神・身体機能の障害がもたらされる症状。
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-017.html
どんな治療があるの?
基本的には、睡眠時間を調整していくことで本来の生体リズムに戻していくのですが、治療として「高照度光照射」などを行う場合もあります。
昼夜逆転には短期的に睡眠薬を用いる
超短時間か短時間作用の睡眠薬を使用することで、「短時間でも入眠しやすく」します。夜勤明けなどに眠れずに昼夜逆転が改善しない場合などに使用します。ただ、短時間作用の睡眠薬は依存形成しやすいので注意が必要です。

ロゼレムなどのメラトニン作用型の睡眠薬
朝方4~5時までに眠れず、逆に昼ごろまで起きられずに完全に昼夜逆転した「概日リズム睡眠障害」の患者に処方、服用を続けてもらったところ、次第に夜になると眠くなるようになり、症状が改善された。
https://style.nikkei.com/article/DGXDZO18037070R11C10A1EL1P01/
昼夜逆転型(リズム睡眠障害)の場合は、ロゼレムのようなメラトニン作用型の睡眠薬が効果があるとされています。
ストレスから来る不眠
ストレス、というと直接的な出来事がないと想像しづらいと思いますが、看護業務はほぼストレスの塊なので「常に晒されている」として話を進めていきます。
夜勤後に襲ってくる「あれ、やったっけな」
ただのアルアルですが、夜勤が終わってようやく寝床に入ると、ふとやり残した業務を思い出すことが多いです。
元気な時は基本的に笑い話にできますが、これ、すでに脳がストレスに占有されている状況だからこそ起きる症状です。本当は仕事は仕事、プライベートに入ったら思い出さないに越したことはないのですが、心配症というかメンタル弱めな人ほど、仕事を私生活に引きずり込みがちです。
夜勤前の昼寝について
夜勤前の昼寝を上手に取ることで、多少すっきりとした気持ちで仕事に臨むことができます。また、夜勤後の疲労感にも影響があるとされています。
7時以前に起床した者、つまり夜勤当日も普段と起床時刻が変わらない者は、夜勤後の疲労感が軽減できることが示唆された。
夜勤前日の睡眠パターンが普段の睡眠パターンと変わらないこと、夜勤当日の日中に仮眠をとることは、夜勤後の疲労感の軽減につながると考えられる。
昼寝時間は3時間
仮眠の時間は15分から30分、なんてのはビジネスタイムのお昼寝の話。我々はそんなアマちょろい仮眠だとぶっ倒れてしまうので、本格的な昼寝を、どのように取るのかってのはとても重要。
勤務まえの3時間を超える仮眠により勤務後の疲労感が低下していることを示唆
睡眠サイクル
これは人によるところもあるのですが、一般的に眠りの波は90分間隔とされています。
この深い睡眠を挟むように「眠りに入るまでの時間」と「レム睡眠に入る時間」を考えると、仮眠時間を考えると、ベストは2時間の仮眠とされています。
寝溜めなんて存在しない
夜勤前に昼寝をしますが、夜勤前のに3時間仮眠するのと夜勤中に1時間仮眠を取るのは同じレベルの疲労抑制スコアということです。
不眠にならないために
看護師だからこそ毎日の生活リズムを整える
- 太陽光を浴びる
- 夜勤入り、夜勤明けに左右されずに決まった時間に寝る
- 長時間の「寝溜め」はしない
- 昼寝は3時間がベスト
- 朝食は必ず取る
- 21時ごろから眠る準備を
- 運動を取り入れる(無理)
- 脱アルコール
サーカディアンリズムをつかめ
サーカディアンリズムについてはこちらの記事をどうぞ。

体温は適度に下げる
深部体温なので直接的に冷やせばいい、というものではありませんが、体があったかいと眠りにくいという経験はあると思います。
精神科看護師としては、特に興奮の著しい患者のケアの場合には、夜間の睡眠をいかに設定するかが大切になります。その際に、部屋の温度調整は重要だったりします。これはまたいつか詳しく解説しますね。
夜勤前と後の眠り方
ベストは3時間とされていますが、子育て、家事も両立させないといけない、「できればちょっとは遊びたい」という方はここの睡眠時間を削りがち。それでも意識して1時間程度の長めの仮眠をとるように心がけましょう。
夜勤明けはとにかく午前中は寝る
私の悪いところは、夜勤明けは昼ごはん食べに行って、うだうだゲームなんかして昼過ぎから夕方まで眠ってしまっていたところ。夕方に差し掛かってしまうと、今度は夜眠れなくなってしまうので、部屋を暗くして午前中に3時間程度の睡眠を取れればだいぶスッキリします。
部屋を暗くするグッズ
しっかりとした睡眠には「部屋を暗くする」ことが大事です。
基本の遮光カーテン
当たり前ですが、部屋は遮光カーテンに覆われていると日光の遮断率がよく、快適な睡眠をサポートしてくれます。
アイマスク
部屋の対策が面倒な場合は、アイマスクを装着することで視界に入る光量を抑えることはできます。ただし、眼球周囲の圧迫感はあるので、慣れないうちは眠れないですし、朝、起きるために必要な自然採光が取れないのは問題とも言えます。
食生活を整える
食事のタイミングは大事
概日リズムを整えるためには、食事のタイミングも重要です。3食規則正しく食べるのが基本。

看護師には3食同じ時間に食べるのはしんどいし、夜勤中に何も食べるな、というのも酷な話。
グリシン
非必須アミノ酸である「グリシン」も睡眠の質を良くする栄養素だと言われています。
就寝前の体温低下を促進
魚介類に多く含まれる
眠気を妨げる悪習慣
- 寝る前のタバコ
- 多すぎる晩酌
- スマホを眺める
- 消化の悪いものを食べる
コメント
「くるみん くるみん 認定 認定」に関する最新情報です。
Sky株式会社は、次世代育成支援対策推進法に基づき、厚生労働省から「プラチナくるみん認定」を取得しました。この認定は、社員の仕事と育児の両立を支援する取り組みが評価された結果です。具体的には、産前産後の休暇制度や時短勤務制度を活用し、多くの社員が育児と仕事を両立させています。今後も、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた環境整備を積極的に行い、子育て支援を推進していく方針です。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001028.000001552.html
「プロジェクト リトリート 整える」に関する最新情報です。
島根県の株式会社海士は、出雲地方と隠岐諸島を結ぶ新たな観光プロジェクト「『はじまりの地』で心身を整える美肌リトリート旅」を始動しました。このプロジェクトは「美肌県しまね推進事業」の一環で、地域振興と持続可能な観光モデルの構築を目指しています。出雲の「静」と隠岐の「動」をテーマにしたリトリート体験を通じて、心身のバランスを整え、地域の産業振興や文化交流を促進します。具体的には、出雲では内面を見つめる体験、隠岐では感性を磨くアクティビティを提供し、両地域の魅力を高めることを目指しています。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000029.000071239.html
「糖尿病 医療 課題」に関する最新情報です。
「糖尿病関係者調査2025」は、糖尿病治療におけるチーム医療の課題と解決策を明らかにするために実施された調査で、関西エリアの先端医療施設の協力を得て行われました。調査結果では、情報共有の不足、コミュニケーションの課題、業務負担の偏り、患者教育の不足など、チーム医療を阻害する6つの根本課題が特定され、それぞれに対する解決策が提示されています。
このホワイトペーパーは、全国の糖尿病医療従事者にとって有益な情報を提供しており、調査結果は無料でダウンロード可能です。また、協力医療機関の取り組み事例も掲載されており、他の医療従事者が参考にできる内容となっています。セカンドハート社は、患者に寄り添いながら重症化を予防することを目指しています。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000135007.html
「睡眠 睡眠 障害 障害」に関する最新情報です。
日本医師会は、2025年3月5日に「健康ぷらざPlus」の最新号(Vol.6)を公開し、子どもたちの睡眠障害について特集しました。近年、睡眠障害に悩む子どもが増加していることを受けて、東京都立多摩北部医療センターの小児科部長である小保内俊雅氏が、睡眠障害の原因や症状、診断、治療法について解説しています。睡眠は子どもたちの心身の成長や健康に不可欠であり、最新号には子どもたちの睡眠状態を確認するためのチェックリストも掲載されています。保護者はこれを活用し、子どもたちの健康を支援することが求められています。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000123.000128707.html