他の記事で「お金のコミュニケーション」の話をしています。このページでは、どうして「お金の話」になると喧嘩になることが多いのか、という話をしていきます。

我が家をベースにした話なので「そんなことで喧嘩しないわ」という夫婦もいらっしゃるとは思いますが、相手が内心ではどう感じているかまでは案外わからないものです。
お金の話を嫌がる理由

私の場合は、お金の話になると立つ瀬が無いから。

看護師の頃はバリバリ働いていたのに、今は普通の人と同じ時間に起きて、子供と一緒に寝られるからね。幸せだけど、なんだか申し訳なくなるよね。
看護師に比べると給料がボーナス分減ったくらいになっているので、妻にも申し訳ない気がしますが、妻は妻で私の仕事時間に介入して家事を依頼してくるので案外うまいことやっていけているつもりです。

いや、給料が減ったのは許されないけどね。ちゃんと稼いでよね!
こんな感じで、片方がうまくやっているつもりでも、相手に不満があることはしょっちゅうです。
お金の話が嫌われる理由
まず、お金の話が嫌われる理由です。
- 日本人の価値観教育の末の「お金は卑しい」という考え方
- お金に対して無知である
- お金に関する問題点が見えていない
- お金の価値観にギャップがある
- 自分はお金を持っていない、という劣等感
- 収入の話をすると「相手に責められている」という感覚になる
- お金の話をしても、解決策が「仕事頑張れ」しかない
- お金の話をしても「節約頑張れ」しかない
色々上げてみましたが、基本的には「お金の仕組みが複雑」であること、「価値観が違うので話題が共有できない」こと、しかも解決策が「お前頑張れ」しかないことだと思います。
お金の話をしないという手もある
一応、この後「お互いの価値観を尊重して話し合いをしましょう」という記事内容に続くのですが、どうしても「会話が成立しない」人は存在します。

特に男の人は、お金は稼ぐもお金の管理については無知であることがあったり、プライドだけは一丁前だったりして「聞く耳もたず」の人に手を焼いている人はいらっしゃるかと思います。全員ではないだろうけど。
だから、多少の諦めはあれど、必要最低限のコミュニケーションは必要。とはいえ、不要な争いを生む必要もないので、なるべく会話をしなくても「話がわかりやすくなるツール」があると便利です。
お金の話をスムーズにするアプリ
私の最初に作ったブログなんですけども、こちらで紹介しているOshidOriという夫婦用の家計簿アプリがなかなかに優秀です。

結局、喧嘩をしなくちゃいけないのは、「相手と共通の理解が得られない」ということで、基礎知識も不足していて「いちから説明しないといけない面倒くささ」と「話が見えてこない苛立たしさ」との衝突だったりします。違う場合もあります。
OshidOriでは、個人の口座と夫婦・パートナーの口座を連携させて管理することができるアプリです。流行りの口座連携アプリと似てはいますが、「どの情報を共有するか」を選べるので、プライベートな部分と家族で共有したい部分を一括して管理することができます。
宣伝はこれくらいにしておき、お金の話をするときは「会話」だけではなく、目に見えるもの「資料」のようなものがあった方が理解のサポートになりますし、説明する方も簡単だし、特にやることはないし、目標が共有できてモチベーションも高まります。いいことづくめですね。
というわけで、お金の話をするついでに「夫婦で使うならこのアプリ!」という宣伝をさせてもらいました。本題に戻ります。

収入が人間のグレードという価値観
少し古い価値観になりますが、「収入でマウントが取れる」と考えている人に出会うことがあります。
実際、人間を数値に換算する客観的な指標としては「収入」は分かりやすいと思います。生活の質にも影響しますし、お金があれば心のゆとりくらいは手に入る。お金ってやっぱり大事。お金がもらえる給料・収入で人間性は図れなくても、給料が多い人はやっぱり羨ましい。
収入コンプレックス
お金にコンプレックスを抱く人も一定数います。収入がひとつの人間の指標になりうる以上、収入が少なければ劣等感を覚える人もいるでしょう。
というよりも、ほとんどの人が「今よりもう少し収入があったらな」と思って暮らしているから、お金に対しては執着心があったり、不安や焦燥を感じるのも当然のことだと言えます。

実際に収入が増えても「もっともっと」が続くだけでキリはないんだけどね。

やりたいこと・欲しいものがあって給料アップを望んでいる以上は、コト・モノの欲求が増えるだけで給料っていくら増えても足りないんだよね。
給料が知られると恥ずかしい
収入を公開するというのは、「自分の仕事量を見られている」「スペックを評価されている」という気持ちが湧いてくるのも当然で、しかもほとんどの人が自分の給与に満足していない現状もあります。

ほとんどの人が給与に満足をすると経済発展的には活力不足になってしまうので、ある意味では「ちょっと不満」くらいが競争も生まれるちょうどいい給与配分とも言えるのですが。

資本主義という社会構造的に、「給与には満足しない」のは当たり前なんだけど、これで収入に対してコンプレックスまで持ってイライラや不満につながるのは幸福度を下げる要因にはなってそうだけどね。
今回は夫婦のお金の話なので、自分がパートナーの収入に満足していたとしても、「収入を公開しろ」というのはそれなりに相手にとって羞恥心・不快感を与える行為であることはお互いに承知しておきたいところです。
男女の収入差
あと、ついでに話すと、お金の話は「男女・パートナー間の格差」があるとよりシビアです。
うまくいく夫婦ほど「役割分担」して「給料に差が出る」のは当然
個人的には、お互いのことを尊重し合って、適切にお互いの役割を設定すれば「収入に格差が生じる」のはむしろ当然だと思うのですが、男性が女性を支えないといけないという旧式の価値観を提げている人の場合、「女性よりも給料が少ない」ことが呪縛となって「自分は情けない」なんて考える方はいることでしょう。

女性側も「家事ができていない」ことを気に病んだり、「夫が給料が少なくてだらしがない」と感じたりすることはあるよね。
二人の生活のために何が必要かを考える
収入をオープンにする際には、お互いがやっていることを尊重した上で、二人が生活をしやすいようにするためにはどうするか、を相談できることが大事だと思います。
後半で書きますが、ライフイベントとして性別としての役割上、出産・育児が控えている女性はどうしても給料が下がってしまいます。夫婦であるからこそ、このようなイベントを乗り越えるためにお互いに補填し合うことが「二人で生活する」ことの最大のメリット。
とはいえ、この壁を乗り越えられずに、偏見・誤解が生じたり、妊娠・出産という環境の変化に男性・女性ともに対応できずに、うまくいかない家庭も多いのは事実。
女性の収入が下がってしまうことは、社会的にはケアしやすくはなってきているけど、まだまだ「何もしないと女性の給料は下がる」というのは現状。

これに対して、「お前の方が給料が少ない」とマウント取ってしまう男性は、自分の立場を俯瞰することが苦手なんだとは思いますが、対話する際には少し面倒ですね。
また、女性の収入の方が高いケースで、男性が自尊心を(勝手に)傷つけることもあるので、収入をオープンにするのは、「稼ぎやすい方が稼ぐ方に時間を割く」「稼ぎやすい方が生活しやすいように二人の幸福度を高める」などの役割分担をお互いに尊敬した上で割り振っていくことが大事なのかな、と思います。
お金のトラブルはコミュニケーションエラーということ
夫婦のお金の問題は9割くらいは「コミュニケーションエラー」です。というより、一緒に生活するからこそ「コミュニケーションを必要とする頻度は高い」が「コミュニケーションが面倒になる」ので、一時的な関係性よりもよりミスコミュニケーションが起きやすいとも言えます。
コミュニケーションエラーを減らす方法
ちょっと別記事に移行するかもしれません。簡単に買いておきます。
コミュニケーションの必要性を減らす
まず、不要なコミュニケーションはお互いにとって面倒になります。例としては「あれってどこにあったっけ?」みたいなやりとりです。
給料・収入や支出内容に関しては二人で家計を管理する場合には「透明性」が大事です。不透明にしたい部分は最初から「不透明支出用」として配分すればいいので。
おすすめとしてはOshidOriというアプリになります。これは夫婦の口座情報を連結して管理することができます。不透明支出用の口座も設定できるので、夫婦と個人のお金の管理が一つのアプリでできるようになります。
相互理解を深める
お互いの価値観を理解し、認めることがコミュニケーションエラーを減らすために役立ちます。我々日本人はここが頗る苦手。
声かけしやすい環境・雰囲気を作る
基本的には普段から仲良くしておくことです。コミュニケーションエラーは「言わなくてもわかるだろう」という期待や、「いってもどうせわかってくれない」という諦めから発生する場合がほとんど。期待はし過ぎずに、「とにかくまずは伝えてみよう」という関係性を作っておくことが大事だと言えます。
お金の管理方法について
お金の管理に関する根本的な疑問を考えてみます。
なぜ、妻が管理するのか
これまでの日本では「女性が家計を管理する」「必要な収入は男が稼ぐ」が基本でした。
これがテンプレだからこそ、この価値観を生きる人たちにとっては自然と役割分担が決められていたので、考えることが少なくなってかえって良かったのかもしれません。でも、このテンプレは多様化の時代には役に立たなくなりました。


http://kakeiken.org/journal/jjrhe/107/107_06.pdf
日本の場合は、2012年の段階で、妻が家計(収入)を管理する形態の割合は55.9%。日本のように、「妻が管理する」割合が高い国は珍しいです。比較する対象国は、半数が「共同管理」です。
日本の「女性が家計を管理する歴史」について
なぜ「家のお金は女性が管理するのか」に関しては、なぜ妻がさいふを握っている? ≪日本の男と女の関係≫という記事が面白かったので参考にしてみてください。

江戸時代の武士の価値観らしいですね。江戸時代は争いは減ったので、安定して「母親が家で強い」時代だったので、この時の価値観は結構残っているところがあると思います。
戦争が始まると、「戦う男」の需要が高まるので、女性軽視の価値観に傾きます。驚くことに、戦後75年の現在でもこの「女性軽視」の価値観を引きずる男性はいます。

日本は(対外的には)平和である時間が長いので、価値観も安定して根付きやすく、逆に価値観を変化させることには慣れていない・弱いと言えそうですね。
おそらく、マスコミの影響もあるとは思います。マスコミは大多数の聴衆に情報を発信する都合「テンプレ的価値観」を植えてつけておいた方が聴衆を管理しやすい。政治も近いものがあって、安定して得票する場合には価値観を均一化しておいた方が一定の評価を得られる行動を取ることで票がまとまりやすい。

多様性が生まれると、マスコミはコンテンツ制作に見合うほどの顧客が掴めないし、政治も票が割れやすくなる。客がバラけると損するのは「情報」と「政治」ですね。

政治家も、色んな人にいい顔すると「コウモリ」になっちゃうから「大多数」の人にいい顔して、「少数派」を追いやった方がわかりやすい構造になるんですよね。
誰に対していい顔をするかが複雑になるのが多様性の時代であり、これからの価値観の指標になると言えます。
ちなみに大衆が陥りやすいバイアスなど
人間の心理としては、「自分が考えていることは正しい」というバイアスが働きやすく、さらに「相手も当然同じことを考えるだろう」というバイアスもあります。
さらに、自分と同じカテゴリに所属する人間とは団結した意識を持ちやすいので、「まとまりやすさ」というのはあるんですけどね。
つまり、常に大多数の中にいた方が安全。だけど、いつも大多数の中にいるのって、それはそれで疲れるから、多様性を認めた上で、お互いに生活しやすい距離感を保ちながら生活するスキルみたいなものが必要になってくるんですよね。余談ですけど。
お金の管理は「妻がやる」は一時代としては合理的
とにかく、お金を妻が管理するのは「これまでのテンプレ的な価値観で何も考えずに生きていたい時代では合理的」だが、ここに待ったが入った現代の日本では「夫婦で管理」するのが無難だと思います。
ここに「どちらがお金を管理すると二人が得するか」によって役割を考えたらいいと思います。経理や簿記などの経験が活かせるかもしれないし、お金の勘定が好きな方、浪費家よりは倹約家というお金の価値観を判断材料にしてもいいと思います。

あんまりケチな人が財布を握ると息苦しくなるし、散財されると家計が成り立たなくなるし、この辺りを話し合いで解決できるといいんですけどね。
お小遣い制とはなんなのか
ついでに、お金の管理で発生する「お小遣い制」についても少しだけ考えてみたいと思います。
夫婦でお金を管理する場合、何パターンかの管理方法が存在します。
- 夫婦で完全に財布を分け、支出ごとにどちらかが払う
- 共有の「財布」を作り、共有の支出はそこで管理する
- 財布はひとつにまとめる
ざっくり言えば、個人の資産を不可侵とするか、家族の資産として個別の支出に対応するか、という話になります。
結婚は制度として家計をひとつにするような側面はありますが、結婚後も個人の資産を持ち続けるケースはあります。
では、お小遣いはなんなのか、といえば、家族として資産をまとめた後に、個人で自由に使用できる資産がお小遣いとなります。用途は個人的なものになるので、夫婦の間でも口出し無用となります。
なんで昔から夫はお小遣いをもらうのか
先ほど、日本の家計管理は女性が担ってきた話をしました。家計の管理から外れた個人の出費に関して寛容なシステムとも言えますが、一部の方にとっては「自分が稼いだお金なのに自由に使えないなんてなんたることか」という不満も聞かれます。
私は子供の時からそもそも「お小遣い」というシステムに馴染みがないのですが、少し疑問に思うのが、「お小遣いでやりくりできない状況」と「管理側のお小遣いはどう管理されているのか」ということ。

次の「へそくり」の話にもつながるけど、お小遣いってみなさんどうやって決めているんでしょうかね。個人的には管理側の不透明な会計を監査するシステムがないと成立しないような気がするのだけど。

そこは、「お金についてあれこれ言わない」武士は食わねど高楊枝的な価値観で黙って耐えるのが男、みたいなことだったんじゃないの。
また、逆に主たる家計を担う方(稼いでくる方)が、必要な生活費だけを家計管理に渡すというブラックな家庭もあるみたいです。いわゆる「これだけで生活できるはずだ」と言って必要分だけを家庭の資産に入金するパターン。
これの何が黒いかって、管理側の役割が「管理されること」になっちゃうことだよね。出費はある程度はコントロールできるけど、予想外の出費は生きている上で当然発生する。ここに対して自由に使えるお金がないと、「風邪をひいても風邪薬を買えない」レベルで人権が崩壊する。

必要分は言えばいい、とかいう人ほど、言ってもなんだか理由をつけてお金出してくれないしね。
もちろん、夫婦・パートナー間での役割分担は自由であるべきですが、お互いの自由が保障されてこその自由であるべきだと私は思います。

専業主婦に縛り付けておいて「稼いでいるのは俺だ」は通用しない理論だって気づける人だといいんですけどね。気づけなさそうな人なら、結婚する前に気付きたいところですね。
へそくりはOKか
ついでにへそくりの話もします。
へそくりに関しては個人的にはアウトな話だと思っています。ただ、悪いのが「隠す」側というよりは「隠さなければいけない事情」にあると私は思っています。普通に隠さずに貯金してていいと思います。
へそくりは「内緒で貯めたお金」だと定義します。この内緒には、多少のやましさがあるわけです。例えば、食費に当てたお金でお釣りを少しずつ貯めた、などの少額なものから、シンプルに自分が使うためだけのお金を家庭用資産から抜いている場合もあります。
節制は「家族での取り組み」になるのに、浮いたお金が「管理者」だけのものになるのは疑問。ただ、これを家族内に明らかにできないのは「管理者が自由に使えるお金がない」状況であったり、あるいは「へそくりに手をつけようとする家族メンバーの存在」があるわけです。
へそくりの目的は、結局「いざというときのため」で家族に還元される場合がほとんどのようなので、めくじらたてていうようなことでもないのですが、隠れてお金を貯めることはされている方はやはりそれなりに不信感を持つ行動です。普通にお小遣いとして会計したものを貯蓄するか、家族共有で目的を持って「へそくり口座」に溜め込むならいいような気はしますが。

なぜ内緒なのか、を考える必要がありそうだね。
お金の話で喧嘩をしないために
処方箋です。簡単に言えば、「エラーを恐れずにコミュニケーションを取ること」です。
お金の話をする際の準備
- 相手の生活歴・経歴・職歴・学歴(背景)を考える
- 相手がお金に対してどう考えているかをしっかりと聞く
- 相手の目指していること、目標を把握する
- 基本的なお金の知識を身につける
まずは自分のできることをやる
どんな時でも、相手に何かを求めるよりも先に、自分ができることをやります。お金の話に関しては、まずは話をするために土台となる「お金に関する基礎知識」を身につけておくことが大事です。
お金の基礎知識というと、「経済」「金融」「経営」あたりの学問の知識になりますが、この辺りは初級編でも割と面倒な話がいっぱいあります。ただ、同時に「読みこなすことすら難しい学問」だからこそ、勉強することで差がつきやすいとも言えます。

このあたりをかじったことがある方と、そうではない方が話をするときは知識量のギャップが大きすぎて「どこから説明したらいいんだ」という面倒くささがあります。

私は社会に出ても「看護師」だったこともあり、完全に無知でしたね。基礎系は読みこなしましたけど、それでもニュースを読み解くことすら難しいですもの。
相手の意見をしっかりと聞く
話をするときに自分の意見を主張することは簡単ですが、意見を押し通すことは摩擦を強める効果しかありません。
まずは、相手の意見を徹底的に聞くことです。例えば「住宅ローンを繰上げ返済したい」という話題で、相手が「やらなくてもいいんじゃないか」と言ったとします。この時、「えー、100万円を早く返したほうが将来的に20万円も安くなるんだよ」と言いたくなるところですが、まずは相手の意見を聞きましょう。

私の経験上では、「とりあえず否定から入る」人はいるので、否定する理由をしっかりと掘り下げます。

ただ返答を面倒くさがっているだけなら、相手の意見は早々に詰まります。自分で説明しながら、自分に理のないことがわかる相手であれば、意見が言えなくなったら相手の意見を聞く姿勢が出来上がります。
住宅ローンの繰上げ返済
ちなみに、パッと例に出した住宅ローンの繰上げ返済。実際は悩ましいところで、100万円を繰上げ返済して総返済額が20万円安くなることは「住宅ローン」という軸だけで考えれば確かにお得です。
ただ、この100万円の使い道、仮に住宅ローンの完済を20年後に控えている段階であれば、当然手元の100万円の価値も変動していることになります。

安全圏の貯金は手元にあったほうが「キャッシュ」としての強さがあるし、20〜30代だったら「挑戦したいこと」に使えるお金を持っておいた方がチャンスを逃さないよね。
余談でした。
相手の聞く態度を作る
会話する時って、自分のペースで話しがちですが、相手の聞く姿勢を作ることも大切です。
基礎知識を仕入れる
まず、最初から議論を吹きかけるのではなく、話し合いたい事例の基礎情報となる話題をしておきます。先の住宅ローンの話なら、「なんだか金利が上がるみたいだね」というあたりから話をします。
この時の目標は「相手が話題にどれだけ関心があるか」「どれくらいの知識を持っているか」ということを把握し、基本的な知識を植え付けるところまでが目標です。
相手の頭は「新情報」でパンクしがちなので、同じタイミングで重要な議論を始めないように注意しましょう。
聞く態度を作る
聞く態度を作るのは、「話すタイミング」と「相手の受容度をこじ開ける」ことが大事です。
「話すタイミング」としては、相手が何かの作業をしているときは議論を持ちかけるのは禁忌です。作業を邪魔されると、聞く態度よりも怒りが先立って話が入ってこなくなります。
次に、「相手が受容できるようにする」ことですが、これは厄介です。わかりやすい例で言えば「夫が銀行員」で「妻はパート従業員」だとして、妻から住宅ローンの話をしても「お前に何がわかる」で話をしても真面目に取り合ってもらえない可能性があります。
「似非専門家」ほど、自分の領域以外でも「専門」面する傾向があります。話す時には注意深く「相手が無知であること」を引き出しつつ、相手の知らないことを小出しにちらつかせて「ほう」と唸らせることができるように準備しておきます。
言語化を助ける余裕を持つ
フキハラあたりの記事に書いたような気がしますが、男性の中には「言語化」が苦手な方はいます。意見を求められると、「言いたいことはあるけど言語にできない」ことでついつい怒りっぽくなってしまう場合もあります。
こういう時には、怒っていることに注目するのではなく、相手が言語化できない部分を手伝ってあげるといいと思います。相手が怒っているとなんとなく怒りが伝染して自分も怒って対処しがちですけど。

お金の話で気をつけたいこと
最後に、お金の話で気をつけたいこと、などを簡単にまとめておきます。
- 相手の価値観は尊重する
- 二人で協力して目標を達成するという姿勢
- 劣等感を刺激せずに受容する
二人で頑張る、ということ
お金の話は、最終的には水掛け論で「節約を頑張ればいい」「仕事を頑張ってほしい」になりがちです。そして、ほとんどの家庭では「節約で頑張れることはたかが知れている」こと、「仕事は頑張っても給料は増えない」ために、解決方法を自分たちで持たないケースが多いと思います。

仕事を頑張っても、人事評価をコントロールすることは難しいからね。

節約って、どれだけ時間をかけても限界があるよね。しかも、やっても数百円で、夫は絶対に褒めてくれない。
個人的には、雇用関係とは別ルートの収入源を持つことが一番手っ取り早いと思うのですが、副業の話を聞きたくない方もいると思うので、この辺りは別記事を参照してみてください。

相手を尊重するということ
先ほどもちらっと書きましたが、何かの話をするとき、自然と「相手のことを見下す」ことがあります。
自分から話題を振る時、「相手も当然知っているだろう」という感じで話しかけて、相手が知らなかった時に「えっ、知らないの?」となって突如優位に話を進める輩がいます。あなたの話題はあなたしか知らないので、前情報をもう少し説明しましょう。
また、自分や相手の所属する立場(学歴や職歴など)で相手を判断する時も然り。認知バイアスは別記事でまとめたので、知っておくと「この人はバイアスにかかっているだけの陳腐な人だ」と内心で思って心にゆとりを持って交渉に臨めばいいのです。

逆に言えば、自分が相手にとって同じような態度を取らないように注意をする必要があります。バイアス自体は仕方がないのですが、仕方がないからといって相手を不快にしていいわけではありません。
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