フキハラ・モラハラ夫というのは、ここでは私のことになります。あまり一般化させすぎに、自分のパートナーの理解につながることがあればラッキー程度に読み取っていただければ幸いです。
「フキハラ」記事が長くなったので、「フキハラとは」と「不機嫌の理由」と、今ページと、3部作にしました。


このページでは、「旦那の不機嫌の理由はなんとなく分かったけど、どう対処すべきか具体案がほしい」という方のために、私を実例に、私の不機嫌を対処するならこんな感じ、という情報をまとめています。

あくまでも私という一事例ですが、「もう旦那わけわかんね」という方には少しくらい役立つ情報があるかもしれません。
不機嫌夫を評価する
まずやるべきことは、不機嫌夫がどういう人間なのかを理解することから始めるべきだと思います。
この記事を読まれる人が(世の中に一人でもいることが想像できないが)いるとしたら、不機嫌な夫に悩んでいるわけで、それなりの関係性は出来上がっていると想像できます。
だからこそ、一度その「私の考える夫」の評価は一度捨てましょう。この旦那像が、不機嫌を生み出している根源だと考えてもいい。
不機嫌の理由を考える
不機嫌の理由に関しては、「不機嫌夫の生態」という記事をご覧ください。

キャパシティを評価する
不機嫌旦那はそれほどキャパシティは高くありません。基本、強がっているだけです。

私自身も外面がいい旦那を演じたりしますが、これは外面がいいほうが余計なコミュニケーション摩擦が生まれなくて楽だからです。家庭内でこれを適応しないのは、家ではのんびりしたい気の緩みと、妻への甘えに他なりません。
引用した記事にもありましたが、環境の変化など「誰にでもストレスなこと」は、当然、旦那を不機嫌にします。(記事では転勤)なんだったら、不機嫌夫には一番の天敵といってもいいでしょう。

ちなみに、ストレス値ランキングでは、転勤は「妊娠」よりもストレスで「借金」よりは少し低いくらいのストレス値。

もちろん、大人なので環境の変化は受け入れるほかないのですが、旦那はこのストレスを見ないようにしている可能性もあります。つまり、これもまた旦那は言語化できない・不安の原因を認知していない状況であるとも言えます。
まず、このキャパシティを考えた上で、「どういった伝え方をしたらいいか」「どの状況で話しかけるべきか」などアクションを図る際の指標にしていきます。
適応機能、キャパシティが低い場合は伝え方は重要
経験上、不機嫌旦那のストレス耐性は低く、かつトラブルなどへの対応力といった受容力(キャパ)は低い。この、自らのキャパの低さを認知している不機嫌夫は結構少ない。なんだったら、キャパが低い方が「自分はできる」と考えている傾向にあると思います。
後述するパーソナリティの問題もあるとは思いますが、無駄に高いプライドと、理想の自分とは見合わない周囲の評価が、「不機嫌夫」を作り上げている要因の一つかもしれません。
キャパの低さは発達障害の可能性も
ADHDなどの記事も書いていますが、当然男性にもADHDの診断はつかなくてもADHDのような特徴を持った方は多くいます。10人に一人はADHDと考えれば「自分の旦那が隠れADHDだ」ということも頭をよぎってもいいのかもしれません。
ADHDの記事は別途、他のページを読んでいただければいいのですが、仮にADHDの特性がある場合には、そもそも人からものを依頼されるほどキャパシティがない可能性があります。

低い対応力で依頼ごとが実行できない
不機嫌夫に悩まされる夫婦の多くに「依頼・お願い事が実施されない」ということがあるのではないかと思います。根本的に、その「依頼・お願い」が旦那に合っていない可能性があります。
ADHDではなくても、急な依頼はストレスの溜まるものです。依頼する側は相手の様子を見て「暇そうだからお願いしよう」と考えるものですが、この時点で「暇だと思われている」ということがストレスですし、加えて「何かに集中していることを邪魔される」のも不快です。
キャパシティが低い不機嫌夫の場合は、依頼をするにしても一段階「準備期間」を設ける必要があります。ベストは、旦那が自分で動き始めて「助かったよ」と言えるのが一番です。プライド高いので褒めた方がトラブルは少ない。
だから、自分が今は手が離せない状況だということをそれとなく相手に伝えます。独り言でも構いません。ただ、感覚刺激にはそれぞれ優位性があるので、耳から情報が入らない旦那にいくら話しかけても無駄です。
まずは旦那への話しかけ方でトラブルをいかに減らせるかを考えていきたいところです。解決法は後述で。
相手の適応力・キャパシティが高い場合
逆パターンもあります。依頼する側、この場合は妻と仮定しますが、妻の方がうまく家事・育児が処理できずに、旦那に過度に依頼しすぎてしまうことで相手を不機嫌にする場合もあります。この場合、依頼内容をすぐに吟味されて「自分でできるんじゃない?」と評価され、挙句、不機嫌になります。
依頼はしないのが無難
例えば、依頼する側は「今、自分は手が離せないから、相手にやってもらいたい」と考えて依頼するわけです。一方で、依頼された側は、「なぜ依頼者は自分でできないのか」を考えます。結果として、「じゃあ今、自分(妻)が行っている作業を中断して自分でやればいい」と大体の場合は結論づけられます。
この場合の妻は、「自分のキャパシティを超えた業務」をしているわけです。そのため、周囲の状況にまでは細かく目が届いていません。自分にはできないことを依頼しているのですが、「相手の状況」を考慮していない場合や、「業務の優先順位」が組まれておらず「後回しでいいこと」まで無駄に依頼していることもあります。
「自分が今、家事を終わらせたい」という気持ちは、自分の業務だけを軸に考えた独善的なものです。本来は家事をシェアして、夫が家事を手伝って終わってから旦那も好きなことをしていればいいのですが、旦那の家での仕事がシェアできない以上、役割分担の必要性が出てくるのも事実。
夫に頼り癖がある場合は、一度、依頼する前に「どう工夫したら依頼せずに自分でできるか」を考えてみます。

依頼の際に旦那が仕事している前提ですけど、スペック低めで休日はダラダラしているだけの夫だったら、家事をさせた方が経済的なのでガンガン依頼してもいいと思いますよ。

どんなに会社で給料もらえても、在宅中の隙間時間で稼げなきゃ時給0円夫ですからねぇ。家事をした方が家族のためになりますね。

もちろん、妻も隙間時間に休んでいるだけなら時給0円妻ですからね。自分がラクしたいために旦那に依頼するなら、下手に旦那を手伝わせずに仕事に集中してもらって、家事をやった方が経済的です。自分が稼ぐ場合なら、もちろん、旦那にやらせる。

どんな人でも、休む時間は必要だから、夫婦でフェアに休暇をわけあえるように配慮し合うのが一番ですね。
暇だと判断されるのが屈辱
さらに、相手のアセスメントも評価する面倒な夫もいます。
「妻は今、自分のことを雑用を依頼してもいい状態だと評価した」と考えて不機嫌になる旦那もいます。実際に暇な時はこれが妥当な評価として機嫌よく引き受けてくれる時もありますが、相手の評価が正しくないとき、つまり「実際には忙しいのに、暇だと評価された」場合にはひどく不機嫌になるはずです。

私の場合は、仕事の情報収集で記事を読んでいるときに、妻が割とどうでもいいことで雑用を申しつけてくると「おいおい、そこは自分でやろうよ」と不機嫌になります。

そういう時は、不機嫌になる前に説明してって言ってるんだけどね。そういうのは面倒なみたい。
妻のプランミスに付き合わされる不機嫌
さらに、依頼者側がきちんとプランニングされていない生活をしている場合に雑用を押し付けられると「だからもっと早く起きて家事をしないと」と感じます。
我が家では、妻は9時就寝で6時過ぎに起きてくるわけですが、当然、朝は毎回ドタバタするわけです。私は「そろそろ学習して早く起きようよ」と思うものの、これを指摘すると毎回喧嘩になるので言わない。

ただ、朝のドタバタで「あれやってくれ、これやってくれ」と言われると、やはり不機嫌になります。じゃあ、まずはもっと早く起きようよ、と。

でも、私だって仕事してるから、少しでも寝ていたいんだよ! ちょっとくらいラクしたっていいじゃん。

私自身はそれほどキャパは高くなく、ADHDの薬を飲んでいないときなら「はい喜んで」とやっていたものですが、集中力がついて頭が回ってしまうときだと、相手の行動が見えて、余計にイライラしてしまうことが多く、夫婦間の雑用の依頼は考えものだな、と思った次第です。
パーソナリティを知る
人のパーソナリティは性格などと表現されていますが、行動や価値観に大きく影響を与える要因です。
不機嫌夫のパーソナリティは、「不機嫌になりやすい」という特徴だけで話が進められるような感じもしますが、一応、精神科的なパーソナリティの話はしておきます。
不機嫌夫に当てはまりそうな性格傾向
これは、自分の性格と書いておいてコメントなどの反応を見ながら適宜更新しておきます。
- プライドが高い
- 傲慢
- 失敗を極度に恐れる
- 笑いものにはなりたくない
- 実際の自己評価は低い・自己肯定感が低い
大体、自己愛性が強くパーソナリティ障害認定とギリギリのラインだったりするのですが、失敗などを許容しづらい性格にはあります。
不機嫌夫が抱く自分(妻)に対する評価を考える
相手の認知に関しては、当然本人から説明してもらう他ないので想像するしかないのですが。
不機嫌夫は根本的に妻を見下している
上述のように、相手が自己愛性のパーソナリティ気質がある場合に、相手が自分に対して不機嫌な態度を示していれば十中八九「相手を下に見ている」と考えられます。
このパターンの場合、例えば不機嫌夫に「自分(妻)でもできる雑用」を押し付けられる行為が、相手(夫)の自尊心を傷つけている可能性があります。
世の中の風潮的にも、男性が据え膳構えて寝ているだけという状態には否定的で、「いや、不機嫌夫もそれくらいやれよ」になっているとは思います。ただ、正しい・正しくないに関わらず、不機嫌夫は自分の評価が悪いというだけで著しく傷つくのです。
パーソナリティ障害かどうかはさておき、相手が自分のことをどう思っていて、自分の言動に対してどう反応するかというのは把握しておくべきことだと思います。一番避けるべきことは、対策を取らずに同じ行動をお互いに取り続けること。この場合はどう考えても不機嫌夫が世間的にも悪いとは思いますが、問題解決のためには、「誰が悪いか」よりも「どうすべきか」ということだと思います。
評価通りに演じるか、評価を変えるか
不機嫌夫の不機嫌の理由にあなたへの評価が関与しているなら、その評価を変えるか、その評価を受け入れるしかありません。あるいは、面倒な夫を捨てるかという闇の選択肢もありますが、今回は共存の道を模索するので割愛。
評価通り、「自分はできない人間です」と演じるのは、やはり当の本人の自尊心を傷つけます。旦那の(クソみたいな)自尊心を守るために自分を傷つけることはないので、問題解決には「正当な評価」を相手に認知させる必要があります。
ただ、面倒なことに、この手のプライドの高い人間が虚勢を張る理由は、根本的には「自己肯定感が低い」からです。だから、下だと思っていた相手が社会的には上であることを理解するのはかなり大変です。
相手の持つ自分への評価を変える方法
パーソナリティについても書きましたが、とりあえず不機嫌夫は「自己愛性が高い」上に「ストレス処理は下手」で、不機嫌という態度でしか感情を表現できません。そして表現する相手は家族だけなので、その対処を迫られる妻は疲弊する、という構図が予想できます。

本当に自己愛性パーソナリティだと、過剰に刺激すると激昂するか鬱になってしまうので、有効と言える対処法ではありませんが。
相手の指標・価値観で超えてみせる
この手の男性は「自分の土俵でしか舞台に立たない」傾向があるので、相手の土俵で打ち負かすのが、自身の評価を覆す一番効果的な方法です。
- 社会的な評価を上げる
- 相手より稼ぐ
- 相手のできないことをさらっとやる
例えば、モラハラ夫は大体「自分は仕事をしていて偉い」と考えがちで、さらに妻の自由な時間をバインドすることで妻が自分より優位な立場になれに状態に追い込んだ上で「お前は俺に養われないとダメなんだ」と言い放つわけです。
だから、夫の認知を変えるには、「夫が無理だと思っている環境でも、夫よりも優位に立つ」のが手っ取り早い。
とはいえ、イーブンな環境下で戦いたい
多くの女性は、育児を放棄されることで育児責任を負わされて、働く環境を奪われます。
イーブンな関係に立つには公平な家事・育児分担をした上で、どちらが稼ぐのか(能力が高いか)を競えばいいのです。
大体、モラハラ夫は口で言うほどはスペックが高いわけではないので、やる気のある妻の方が稼げるパターンがほとんどです。ただ、家事・育児をしながらだと奪われる時間が大きく稼げません。
「自分では稼げない」では相手の言い分がごもっとも
一方で、「男より稼ぐのは無理だ」と最初から諦めてしまう妻は、そもそもの自分の考え方に偏りがあり、「相手がこうあるべき」「自分はこうあるべき」という固定観念が不機嫌夫を不機嫌にしている可能性を考慮すべきです。

相手に多くを求めて、でも自分はこうしたい、というのが不機嫌夫を追い詰めている可能性があります。

妻の求める夫像になりたいけど、妻の要求が高すぎて夫が潰れてしまうパターンだね。
役割を入れ替えて実践する
夫に求める部分を考え直し、夫に求める前に、一旦自分に置き換えて考えてみるのはいいと思います。
不機嫌夫が「自分は働いているのに、妻は家事をしてくれない」などが不機嫌の原因だとしたら、家事を完璧にこなしてさらに仕事も旦那以上にこなすのが最も効果的です。
ただ、書いているだけで想像はつきますが、働いて家事も完璧ってのは無理で、無理だからこそ夫婦で協力してやっていく必要があるわけです。だから、妻が自分一人でやろうとしてもつらいし、同時に、夫が働いて家事もやってを期待しすぎても、やっぱり無理なんです。

お互いの立場で、お互いの境遇を思いやって、協力して取り組めることが大事なんですよね。

何もしないで、「相手はこうだ」「自分はこうだ」というのは無しにして、立場を入れ替えてもいいですね。仕事を入れ替えるのは難しいですが、イーブンな関係に近づけて比較することはできるはず。
不機嫌夫が「役割交代」の提案に乗ってくれる可能性はかなり低いとは思いますが、「あなたの負担を軽くするために、私もあなたくらい働く。その代わりにあなたに家事・育児の負担がいくと思う」という提案の反応はみてみたいところです。
妻の誠実な訴えに対して、夫が端から話を聞かないのはやはり夫に問題点があると思います。一方で、夫が「わかった、頑張る」という態度を示して、妻が働いて夫が家事をするで解決するならそれが一番いいですしね。
仕事を始めることが難しい環境の場合
夫の評価を変えるためには、「夫のスペックを超えた活躍をして見せる」ことも考えられます。いわゆるショック療法で、キャパの低い旦那はそのまま潰れる可能性もありますが。
家事・育児(妻の業務分担)1日体験
あえて夫に無理難題な業務をやってもらうことを提案します。育児がワンオペなら、「1日子供の面倒を見る」でいいと思います。ただ、この場合はある程度、相手に印象付けておきたいことがあります。
- 普段は自分が一人でやっていることを理解してもらう
- 旦那ができるように最大限のアシストはすること
- できなかったポイントは浮き彫りにすること
- 実行日の前に「各業務の手順」は実地指導しておく
- 振り返りは喧嘩せずに、冷静に
相手を蹴落とすためではない
ありがちな失敗例は、「急に旦那にやってという」こと。
これは、ただ妻が自分の土俵に夫を引っ張り上げてマウント取りたいだけ。これは効果が薄いし、お互いの負担が増えるだけです。あくまでも目標を共有して、旦那が乗り越えられるように全力のサポートをします。
例えば、実際、普段主婦がやっている家事・育児は予測できない「名前のない家事」の塊で、タスクが周囲から見えづらく、評価されない傾向にあります。
後出しでできなかったことをダメ出ししない
旦那にやってもらった後に「でも、本当はあれもこれもやらないといけない」と後出しするのではなく、事前にリスト化して旦那に依頼します。
リスト化されていると、「できなかった時」に自分がどれだけできなかったのか・ダメなのかが「可視化」されます。しかも、それが家族の前で共有されるので、「自分はきっとできるはず」と思い込んでいた勘違い夫の鼻っ柱を折ることができます。

一度作ったリストはなんだかんだで今後、夫が家事をするときには役立つので一度やってみてもいいと思います。
まぁ、この辺りの課題に問題なく夫婦で取り組める関係性なら、そもそも大した問題ではないような気もします。多分、社会的に問題になる不機嫌夫・モラハラ夫は、この課題に取り組むまでに一悶着ありそう。(私を含めた)あの人たちは、やらないための理由づけというか、口だけは達者だから。
できないと言われた時こそ、再評価のチャンス
多分、提案した時点で、不機嫌夫は難色を示すと思います。ここが、評価を塗り替えるポイントです。まず、相手に「できない」のか、「やらない」のかをはっきりさせます。
プライドが邪魔して「できない」と言えない
プライドの高い(だけの)夫は、できないとは言えないので、「俺がやることではない」など言い訳をするはずです。あるいは、どうしても外せない用事が突如として浮き出てくるかもしれません。
目的は「自分の評価を変える」ことなので、「やらない」ではなく「できない」ことを認知してもらうように誘導します。あなたがチャレンジすらできないことを、私は毎日やっているぞと、分かってもらうのです。
代替案すら受け入れようとしない奴もいる
こちらはフェアな提案を心がけ、言い訳苦しくなってきたら、「どうしてもできないなら、頼まないからその代わりベビーシッターを雇ってくれ」など代替案を提示してみます。折れるのではなく、あくまでも代替案を提示します。相手に考えさせて、相手に決断を求めます。
代替案すら受け入れられず「ベビーシッターなんて自分で雇え、でも俺は金を払わないからな」などという反論が予測されます。もちろん、論点はそこではないので、そこは聞き入れます。大事なことは、「相手はできないことを毎日自分はやっている」と認知させることです。
そんな旦那と一生付き合っていくのか
ここまでのやり取りで、むしろ離婚する方向性で決意が固まりそうですが、今回は夫婦共存のための施策なので、妻が夫を捨てない方向性で話を進めます。
「やらない」ではなく、「できない」と認知させるためには、一度自分で考えてもらう必要があります。できないことを認めるのは、難しいことです。ただ、相手を追い詰めるのではなく、「できないことだからこそ、協力してできるようになりたい」という目標を共有することが大切だと思います。
提案方法まとめ
- 一度、「家事・育児役割を入れ替える」提案をする
- 断られたら、翌日、同じ質問をすることを相手に伝える
- 話し合いが可能な雰囲気であれば、こちらの意図を伝える
- 話し合いすらできない雰囲気なら「どうしてできないのか」を傾聴する
- 相手の主張には(その場では)反論しない
- できるためには相手はどうしたいのかを提案してもらう
時間をおいて、相手に考えさせる
一度に話し合いをしようとは思わず、日にちを決めて相手に考えさせる時間を持たせた方が効果的です。適度に予期不安を与えて、自分と向き合ってもらう時間を設けて、自分の想像力で相手が何を考えているかを考えさせる時間を強制的に設定します。
「自分は仕事に集中したいから、家事・育児は任せたい」という言い分に対しては、ある意味では妥当な業務分担の提案だと思います。ただし、これを受け入れる場合は「仕事」と「家事・育児」がイーブンに割り振られる必要があるので、特に共働きの場合は同じ条件下となるように話し合いを続けます。
自分ができないことは「やってもらっていること」だと認知してもらう
この話し合いの中で、夫がどうしてもできないということに対して、それを妻ができる場合には「優位性がある」と認識させます。「では、私が夫のできないことをやるときには、自分のできることは率先してやってほしい」ということで折り合いをつけていければいいのかな、と思います。

これまでだと、男女の家庭での役割は決まっていたから、ついつい女性が勝手に男性の面倒を見てしまうようになってしまったんですよね。
「働け」の提案をどう捉えるか
逆に、夫側から「では、同じように妻に稼いできてほしい」と言われる可能性もあります。

ここは考えどころで、もし、「えっ、それは嫌だ」と妻が感じたなら、自分の嫌なことを夫に押し付けていたことになります。

社会的には、出産後の社会復帰が難しい時期はあったけど、今は無理難題、というわけでもないからね。
旦那側が「どうせ働けない」という気持ちでの発言であれば、これを受け入れた時点で相手の評価を覆せたことになります。目的は達成されました。
しかし、この後も「収入は自分を超えないと」などしみったれた細々としたことを言い出すので、淡々と働いて、給料を上げていきます。やる気があれば旦那よりも稼ぐことは簡単ですし、そもそも、ここまでの会話の中で大した器ではない旦那が相手なので楽勝です。

ただ、働く場合にはいずれにせよ旦那の家事・育児スキルを上げないと話にならないので、結局は、旦那に「妻の役割体験期間」が必要になるんですけどね。
評価が変えられない時は、自分の評価を受け入れることも
ただ、想定していたよりも不機嫌夫のスペックが高く、家事も育児もやらせたらできる、ということも大いにあり得ます。
このパターン、夫が不機嫌なのは妻側の態度やスペックの低さ、根本的に環境からくるストレスなどが考えられるのですが、基本的に数日で解決することではないので、ちょっと面倒です。
自分のやっていることもアセスメントする
この場合は、相手はなんで「自分の依頼を機嫌よくやってくれないのか」を妻がしっかりと考える必要があります。行き着くのは、そもそもなぜ不機嫌になるのか、ということになるのですが、環境要因で不機嫌になっているのなら不機嫌の要因を把握しておくに越したことはないですね。
旦那が妻に「過大な妻像」を期待しているのなら、これは旦那の評価を改めてもらうしかありません。
一方で、旦那に面倒ごとを引き受けてもらうために自分の評価を下げて「できない」としているのなら、やはり自分ができること・できないことを見つめ直して、夫婦での「自分たちの在り方」を共有していくことが良さそうですね。
事例で考える不機嫌やモラハラへの対策
とりあえず、自分で思いついた項目ごとに対策的なものを書き込んでいきます。ご意見あればコメントにお願いします。
普段のコミュニケーションで気をつけること
まず、不機嫌夫はストレス処理がかなり苦手です。溜め込むだけ溜め込んでいるので、常に噴火寸前です。そのため、些細な刺激でなぜか爆発するので、女性からすると不思議だし面倒だと思います。
しかも、コミュニケーション自体がそれほど得意ではない傾向があるのではないかと邪推します。その上で、こんなことに気をつけたらいいのではないか、ということだけ書いてみます。
フキハラ夫の内面を無理に言語化させようとしない
女性にありがちなのが、「相談すれば不安は和らぐ」という価値観のもとで、無理に言語的なコミュニケーションを試みて解決を図ろうとすること。これは多くの場合、逆効果です。

男性側も相談することに慣れてくれば有効に働くのですが、フキハラ夫のレッテルを貼りたくなるような夫婦関係で悩まれている場合は、初手に「相談」を持ってくるのは逆効果です。
前述の通り、男性は相談すること、自分の内面を言語化することは苦手です。コミュニケーションによりこれを強引に引っ張り出そうとされること自体がストレスに感じるはずです。
爆発させられない不満を刺激するだけ
特に、男性の頭の中で、パートナーである女性側に原因があると考えている場合は、葛藤が深まるだけでダンマリ不機嫌が悪化するだけになると思います。
つまり、普段の行動の中で女性に不満を持っている、だけどそれを言語化すると女性が不機嫌になる(しかも大体の場合は解決しない)だから黙って我慢する。これを言語化したら、「お前が悪い!」「だって私は(以下略)」の応酬になるだけです。
相手への理解はわかりやすく示す
男性でも女性でも、言葉で伝えようにも間違って伝わることは多いのですが、特に男性は女性の発言を曲解して勝手に不機嫌になったりもする面倒な生き物です。
男性も当然、何かしらに不満や不安を感じているわけですが、これを表出すると気が楽になるのも一緒です。慣れてないだけで。
やりすぎると馬鹿にしているみたいになりますが、やはり「共感の気持ち」をしっかりと伝えることは有効に働くことは多いと思います。
返答次第ではいっそう不機嫌になる面倒くささ
一方で、相談してみたものの「仕事のことはわからない」「そんなの気にしなければいい」という返答は「軽んじられた」「突き放された」と感じて却って男性のメンタルを傷つける結果になる場合もあります。

相談し慣れていないから、自分の意図していない返答が来ると却ってパニックになるキャパの狭さは我ながら公害レベルだね。
不機嫌にせずに家事・育児を依頼する
私は家事・育児はフェアに行うのが一番だと思っているので、そもそも妻発信で「依頼」することでもないのですが、やはり気づかない人は気づかないので、依頼方法などを考えます。
基本は仕事の伝達と一緒
まず、相手への依頼は一般的な仕事と一緒です。家族だからといって無遠慮でもいいというわけではなく、自分の用件を相手に依頼するのであれば丁寧さが必要です。内心「いや、これはお前自身がやるべきことだろ」という気持ちがあるとは思いますが、なんにせよ、依頼は丁寧に行うのが吉です。
まずは「いつ」伝えるかを考える
看護師は「報告」業務が死ぬほど多く、しかも話を聞けない「医者」が相手だったりします。どんな報告でも相手に伝わりやすいように配慮する必要があります。
まず、相手が報告を聞ける状態かどうかを考えます。相手が集中できない状態で話しかけても怒鳴られるだけで、しかも肝心の要件は伝わらないので「いつ伝えるべきか」を考えます。
人の生き死にが関わる要件なら、相手のほっぺたを引っ叩いてでも話し手に注意を向けさせる必要がありますが、家庭での伝達事項にそこまでの緊急性があるとは思えないので、適切なタイミングを図ります。
注意を向けさせるための声かけ
先の記事の中でも、相手に伝える方法は書きましたが、基本的にはこちらに関心を向けるためにいくつかのステップを用意して、話をするタイミングを作ります。

「それが終わったら大事な話がしたい」って奴ですね。
「今やってることは、いつ終わるか」など簡単な質問だけして、一度相手の思考を止めさせて考えさせてから、時間的猶予は相手に与えて「急かさない」というのもいいかもしれません。
メモという手も
私自身は、基本的に耳からの情報は保持できないので、視覚に残る形での伝達が好きです。後述しますが、依頼のためのワンステップを作ると、相手の依頼のハードルを上げることができるので、必要な依頼が厳選されるメリットもあります。
看護師的に言えばSBARで伝える
要件は手短に伝えます。報告の内容がダラダラすると聞いている方の集中力は下がり、しかも本題が見えない。イライラします。
おそらく、妻からするとただの家事分担のための依頼だと思いますが、突然依頼されると「なんで?」とクエスチョンが浮かぶので、「自分ができない理由(Situation,Background)」「相手が依頼対象として妥当性がある理由(Assessment)「やってほしいこと(Recommendation)」を伝えます。
伝えるだけではなく、相手の意図や妥協案などを聞く姿勢も大事ですね。急に
SBAR
- S;Situation(状況、状態)
- B;Background(背景、経過)
- A;Assessment(評価)
- R;Recommendation(依頼、要請)
どうしても必要な依頼ごとは相手の理解が深まる方法で
トラブルが多い夫婦の場合、お互いの理解しやすい方法が共有されていないケースが多いと思います。具体的に言えば、私は口頭での伝達事項はほぼ忘れます。そのため、どうしてもやってほしいことならリマインダーなどに残してもらうようにしています。
依頼のハードルを自分でもあげる
これはもう一つ理由があって、依頼のハードルが少し上がると依頼者もやることが増えて「じゃあ自分でやるわ」となります。世の中には依頼のハードルが恐ろしく低い人がいて、「自分でやるより相手を動かす」ことになんの抵抗もない人もいます。この予防線として、依頼に対しての課題を提示することで、「頼むかどうか」を一旦自分の中で落とし込む作業を強いることができます。
ハードルを上げても依頼してくる場合は、本当に相手が困っていることだとこちらも理解できます。その場合の依頼はなるべく迅速に対応できるようにしています。
面倒だからこそ、相手に配慮が必要

なんで、みんなでやるべき家事・育児のことでこんな面倒な段取り踏まないといけないのよ!
ごもっともだと思います。
ただ、そもそも他人に依頼するのってこれくらい面倒だったはずです。夫婦だからといつの間にか甘えが出て、その甘えが、お互いを不機嫌にしている原因になっているのではないでしょうか。
夫婦間では「これは妻の仕事」「これは旦那の仕事」など、お互いが勝手に線引きして不文律となった「夫婦間の決まり事」があります。これは、ある意味でコミュニケーションを取らずに相手の領域は任せっぱなしにできます。ラクっちゃラクだし時間短縮にもなるのですが、これがミスコミュニケーションの原因=相手を知らず知らずのうちに不機嫌にさせている、のかもしれません。
結論としては、不機嫌夫はやっぱり面倒
記事を書きながら、もう面倒だなと思っていたのですが、その面倒なことを家族に強いる行動が、「不機嫌」な訳ですね。激しく自戒し、なるべく家族が平穏無事に過ごせるように善処したいと思います。
ミスコミュニケーションを防ぐ
簡単にまとめていきますと、まずはミスコミュニケーションを防ぐ必要があります。夫婦間で知らず知らずのうちに相手に負担をかけていることがあれば、まずは相談するようにします。
旦那は黙らずにしゃべる
ミスコミュニケーションの原因の一つは、旦那のダンマリです。どこかに書きましたが、相談事は苦手な男性ではありますが、そこに甘えても仕方がありません。
夫婦は共同体です。とはいえ同一思念ではないので、自分の思いは伝えるようにします。これは性格などではなく、スキルの問題です。仕事でダンマリ、しないでしょうに。
「自分」を前に出さない
話し合いの前提には、「自分」を出しすぎないようにします。「私は疲れている」「私の仕事ではない」「私は忙しい」などは出さず、相手も同じ状況であると考えて話し合いをします。
特に「これをやるのは当然あなた」など、一方に有利なだけの根拠のない常識のようなものを出すと話がややこしくなります。
「女性は家事」「男性は仕事」をどちらも納得していれば問題ないと思いますが、「女性は家事と仕事で、男性は仕事だけ」など、都合のいい部分だけ社会の論調を取り入れたり、「おむつ交換は苦手だから妻の仕事」など、努力を放棄して相手に押し付けるようなことはないようにしたいところです。
依頼は基本的には「交換条件」
例えば「相手にこれをやってほしい」ということがあって、前提に「自分はできない」のであれば、それは相手への依頼になります。依頼するのであれば、相手に依頼を遂行してもらうための見返りを提示する。つまり、「その代わりに私はこれを引き受ける」を考えながら、家事・育児を組み立てていきます。

「寝かしつけ」は妻がやり、その代わり朝の仕事は「夫」がやる、みたいなことですね。
家庭内での仕事はフェアに
客観的に指標にするために、お互いのタイムスケジュールを共有して、家事や育児がどのように割り振られればフェアになるかを定期的にチェックしてもいいと思います。
押し付け合いになると喧嘩になりがちですが、相手の行動がタイムテーブルで可視化できると、真っ当な精神を持ったパートナーなら納得してやってくれるはずです。
夫の特性を知る
「話し合い」が成立する夫なら改善の余地は十分にあります。ただ、話し合いがうまく進まないことがほとんどだと思います。
できないことはできない
まず、何を提案しても聞く耳を持たず、とりあえず怒り出すパートナーがいます。これは、シンプルに対処できる範囲が狭く、かつストレス耐性が標準よりグッと低い特性があります。子供の癇癪と同じです。

この辺りの人は、そもそものIQ、適応機能が標準よりも低い可能性があります。これは生まれ持ったもの・生育環境から生じたものなので、大人になってから適応を期待するのは難しい。
あえて生活を共にする決意をするのであれば、相手が理解できるレベルまで要求を下げたり、あるいは行動計画書やチェックシート、フローチャートなどで普段の生活の補助となるものを用意して上げることが必要かもしれません。

ただ、社会に出た以上、自分の行動にはパートナー自身に責任があります。一緒に過ごす家族がどれだけ負担をするのかは、家族次第ですが、過度に重荷を背負うことはないと思います。
パートナーのできないことは「できない」と評価して、できることで協力していけるのがいいのかな、と思います。
発達障害や人格障害を考慮する
少しだけIQや適応機能の話をしましたが、知能面で問題がなくても発達障害があって生活面で苦手なことがあったり、人格障害で相手の認知が歪んでトラブルになりやすかったりなどもあります。この辺りは対処法はありますが、やはりパートナー側に負担が大きくなるので、無理はせず距離を取ることも大事だと思います。
自分の行動を振り返る
今回は、不機嫌夫という悪の権化のような対象を作りましたが、実際には相手の不誠実は鏡のように自分にも当てはまることがあります。
もちろん、自分は聖人君子だと自信を持って潔癖を証明できる方はそれでいいと思いますが、多くの場合は「自分にも悪いところはあったな」という部分があるはずです。
お互いを思いやる
結論ですけども、やはり、お互いがお互いを思いやって、協力してやっていくしかないんですよね。みんな、そんなことはわかってる!と言いながら、やっぱりこれが一番難しいんですよ。
最初に戻りますと、「フキハラ」と相手の行動にレッテルを貼る行動は、相手を悪いと決めつけて自己の振り返りをしないことに繋がりそうだなと思いました。
「不機嫌な態度」が相手を不快にする行動だと認知が広がり、自分の行動を改めるきっかけになればそれはいいと思いますが、相手を糾弾する理由を見つけて、わかりやすい的になるように名前をつけて、みんなで石を投げつけるのはもう辞めてもいいんじゃないか、と思います。これでは、夫婦の間の亀裂を広げることにしかなりません。

不機嫌が亀裂の原因なんじゃないの?

不機嫌は亀裂が表面化したもので、亀裂を生む圧力は別のところから生じていると思うよ。
理想論を語るのは簡単ですが、結局、思いやった行動を実行に移すのが大変なのですけどね。
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