ウォーターサーバーの屋内事故が危ない
6歳以下の子どもが被害を受けた屋内製品による事故が、2017年度までの5年間で125件あったことが、独立行政法人・製品評価技術基盤機構(NITE)のまとめでわかった。このうちけががあったのは99件で、ウォーターサーバーからの温水によるやけどが16件で最も多かった。
https://www.asahi.com/articles/ASM4T4GXXM4TUTIL01M.html

屋内事故の中でも、ウォーターサーバーが上がるのは、結構やばいですね。
ウォーターサーバーは普及率がそれほど高くない割に、屋内製品の事故に関わる件数が多いのは、危険視すべきことだと思います。
ウォーターサーバーの事故で多いパターン
実際に、ウォーターサーバーが屋内事故につながる事例をみていきます。
熱水の出る蛇口をいじる
いわゆる、火傷のパターンです。ウォーターサーバーでは、即座にお湯が出てくることが便利で導入されている方も多いと思います。

製品によっては90℃以上の熱湯が常にプールされており、勢いよく注がれる可能性もあります。
歩き出したばかりの乳幼児の場合、目に飛び込んでくるもの全てに興味を持ちます。
私は大人がギリギリ届く範囲のところに設置できる卓上型を推薦していますが、それでも危険なことには変わりありません。
チャイルドロック機構もあまり期待できない
ウォーターサーバーのチャイルドロックについても調べたのですが、大手メーカーの中には「完全ロック式」などあり、安全だと思えるものもあります。


子供の力って、思ってるよりもずっとすごい。
仮にロックされていたとしても、何かの拍子に偶然にロックが解除されてしまう場合もあります。
チャイルドロックが「こどもの力では硬くてお湯が出せない」パターンの場合はさらに注意が必要。これ、意外と子供は体重をかけて解除できます。
蛇口にさわれなくなるような構造が一番安心ですが、他の危険性もあるので、心配は尽きない。
ウォーターサーバーの事故が起きたメーカー
実際にウォーターサーバーの事故に関わったメーカーを調べていきます。
プレミアムウォーター
幼児(1歳)当該製品の温水レバーを操作したと ころ、チャイルドロック機能が利かず、お湯が出 て火傷を負った。調査の結果、当該製品の構 造上の問題からチャイルドロック解除ボタンの カバーが温水コックのカバーに干渉したため、 チャイルドロック解除ボタンが押された状態か ら戻らなくなり、その状態で幼児が当該製品に つかまり立ちをした際、温水レバーに触れて出 湯し、火傷を追ったものと推定される。
http://www.jdsa-net.org/pdf/accident_2016.pdf
平成27年6月15日に発生した事故です。
原因
当該事故の原因は、当該製品の構造上の問題からチャイルドロック解除ボタンのカバーが温水コックのカバーに干渉したため、チャイルドロック解除ボタンが押された状態から戻らなくなり、その状態で幼児が当該製品につかまり立ちをした際、温水レバーに触れて出湯し、火傷を負ったものと考えられます。
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/160906kouhyou_1.pdf
チャイルドロックが効かなくなる、なんてこともあるんですね。
機種
WFD-1070
対策
- 同社ウェブサイトへの情報掲載を行う
- 対策品のチャイルドロックボタンを同梱したダイレクトメールを送付
- 無償で部品交換を実施
製品改良ポイント
- スライドロック
- 脱着式カバー
- コックは見せない
- コックに驚異を持たせないデザイン
ダスキン
異臭がしたため確認すると、当該製品を焼損する火災が発生していた。現在、原因を調査中。
http://www.jdsa-net.org/pdf/accident_2016.pdf
平成28年9月23日に起きた事故です。ウォーターサーバーの場合は、火災にも注意が必要です。

機種
18-5145
屋内事故を起こさないための対策
我々にできる事故の対策を考えていきます。
赤ちゃんは物理的に近づけない環境をつくる
まず、ウォーターサーバーが屋内事故のリスク要因として大きすぎます。ウォーターサーバーに近づけないようにする対策が最も効果的だと考えられます。
キッチン・サーバー付近に柵
うちはファルスカの柵で赤ちゃんを囲みましたが、ウォーターサーバーの近くに柵で囲ってしまうのが一番最初に行うべき対策です。そして、ウォーターサーバーは使用頻度が高いので、これやると水を飲むのがすごく面倒にもなります。
チャイルドロック解除の方法は見せない
子供は真似します。そして、一発で覚えます。大人が隠れてやろうとするものほど、しっかりと観察して自分でもやりたがります。

ソファの上で立つなって、注意した途端に喜んで飛び跳ねて落ちたよね。
モンゴルあたりの部族では、囲炉裏の火が危険であることを教えるために、わざと火傷させるのだとか。(ソースはない)
痛い目に遭うまでは、なかなか学習しないものですが、火傷系は一生の傷を負う可能性もあるので、注意するに越したことはなさそうです。
乳幼児をウォーターサーバーに近づけないようにご注意ください|近畿経済産業局
好奇心を刺激しない
こどもは好奇心の塊です。禁止しすぎると、かえって親の目を盗んでウォーターサーバーで遊ぼうとします。サーバーはいたずらの格好の餌食となります。
上手な付き合い方ができるように、普通の生活家電として正しい使い方をレクチャーするのが良さそうですね!

最も多い屋外事故、死因は「不慮の事故」
こどもの死因の第一位は「不慮の事故」です。ただ、これだと、いまいちどんなことが危険なのかが見えてきません。
窒息死が怖い

こどもの事故による死亡原因として一番多いのが「窒息」です。家の中でも、寝室で発生することが多いと報告されています。


赤ちゃんが一番、長く過ごす場所だしね。
屋内にある窒息リスク

「子供の事故防止関連「人口動態調査」 調査票分析 ~事故の発生傾向について~」(消費者庁消費者安全課)
SIDSとは違う
窒息件数が多いなと思って、SIDSも疑ったのですが、やはり窒息は窒息事故ですね。SIDSはまた別の原因不明の突然死症候群です。
睡眠中に赤ちゃんが死亡する原因には、乳幼児突然死症候群(SIDS:Sudden Infant Death Syndrome)という病気のほか、窒息などによる事故があります。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/sids.html
○ SIDSは、何の予兆や既往歴もないまま乳幼児が死に至る原因のわからない病気で、窒息などの事故とは異なります。
○ 平成30年には60名(概数)の乳幼児がSIDSで亡くなっており、乳児期の死亡原因としては第4位となっています。
○ SIDSの予防方法は確立していませんが、以下の3つのポイントを守ることにより、SIDSの発症率が低くなるというデータがあります。
ウォーターサーバーで起こりうる窒息
一応、ウォーターサーバーの記事なので、窒息とも関連させます。ウォーターサーバーの場合は、以下の点に注意してください。

こういうの、一人でRCA分析するのは看護師っぽいね。
ボトルは、最近はビニール状のものも多いので、処理せずに置きっぱなしになっていると、こどもが遊んで口に含んだりする可能性があります。
ウォーターサーバーの水で溺死することはあまりないかもしれませんが、漏水による感電などの危険性はあります。また、何かで気を失った時に漏水した水が誤嚥などにつながることも考えられます。
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