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眠れない時に処方される漢方薬について【眠剤との付き合い方】

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眠れなくなることが多いので、不眠によく効く漢方について調べてみました。

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漢方学での「不眠」の解釈

漢方で「不眠」はどう解釈され、どう付き合っていくべきなのか、解説していきます。

不眠の原因

不眠とはいえ、原因も症状も程度も人それぞれ。当然、対策は異なって然るべきです。

眠れない原因

  • 心理的要因
  • 環境的要因
  • 身体的要因

眠れない原因は、上記3点のいずれかに分類できます。

ぶっさん
ぶっさん

環境的な要因に関しては、睡眠環境を整えることから始めていくべきなので、これは薬でどうこうするものではありません。まずは環境面を見つめ直していくことから始めるのが、不眠との正しい付き合い方。

不眠における身体的要因とは

心理的要因は、ストレスや不安などだと想像がつきやすいのですが、体の調子のせいで眠れない、というのは少し説明が必要だと思いましたので補足します。

身体が原因で眠れなくなる要因
  • 疼痛(痛み)
  • 食事の成分(カフェイン、アルコール)
  • 薬の副作用(覚醒作用など)
  • 老化(睡眠時間が短くなる)
  • 強い疲労

概ね、上記のような原因があると考えられます。

身体的に不眠になるような場合は、まずは原因疾患の治療や食事をはじめとする生活習慣から改善していく必要があります。

ぶっさん
ぶっさん

漢方で対処する場合は「疼痛緩和」など諸症状に合わせた観点で処方してもらうといいと思います。

環境的要因で眠れない

ついでに、環境要因もリストアップくらいはしておきます。

不眠に至る環境的な要因リスト
  • 騒音
  • 振動
  • 明るさ
  • 気温
  • 寝具などの皮膚刺激

不眠の種類(症状)

不眠の原因に併せて、「どのように眠れないのか」について解説しています。

眠れなくなる時間帯(タイミング)はいつ?

  • 入眠できない(入眠困難)
  • 眠りが浅い、夢を見ているような感じ、起きた時に逆に疲れている(熟眠障害)
  • 途中で起きてしまう(中途覚醒)
  • 十分な時間眠れない、早く起きてしまう(早朝覚醒)

不眠の症状は、概ね上記4つに当てはまります。そして、眠れない時間に対して効果を発揮する睡眠薬が用いられます。

漢方の効能と合わせて考える

漢方にも理論がいろいろあって、説明が面倒ではあるのですが、簡単にリストアップしておきます。

漢方の理論

  • 気血水理論の「気」(実際にはない、生命のエネルギーのようなもの)を整える
  • 表裏と虚実(体力の有無と、体の内と外)の状態を把握する
  • 五臓(五行)の「肝、心、腎」が関与

五行のどこの力が足りていないのか、バランスを見ながら漢方を調整して気の巡りを良くしていきます。

ヨメちゃん
ヨメちゃん

例えば、元気が無くてつらいのか、元気があるのに眠れないのか、によっても変わってくるということですね。

不眠と五行の関係

五行だけわかりづらいので補足しておきます。

肝と不眠

肝は、以下のような役割があります。

・循環・代謝・発散・排泄・解毒などをコントロールする役割

・感情をコントロールする役割

・血液を貯蔵する役割

・肝臓や胆嚢だけでなく、爪や目、涙、筋腱なども分類

https://www.kracie.co.jp/kampo/kampofullife/basic_kampo/?p=958
肝が不眠の原因となる理由

眠れない症状に関しては、第一に「肝」との付き合い方を考慮する必要があります。自律神経が乱れると、肝に関する症状があらわれるとも考えられています。

肝の不調からくる諸症状

肝が乱れると、感情(易怒性)が亢進し、イライラ感が強まったり、妙な不安感、焦燥感に襲われたりします。

心と不眠

心は、概ね循環系の機能に関与するものです。心臓の働きに加えて、不眠に関する要因としては「不整脈」などからくる「ドキドキ」した感覚は睡眠に影響を与えると考えられています。

・血液循環と拍動をコントロールする役割

・脳(大脳皮質・高次中枢)や精神活動をコントロールする役割

・心臓や小腸だけでなく、顔面や舌、汗、脈なども分類

https://www.kracie.co.jp/kampo/kampofullife/basic_kampo/?p=958

脾と不眠

五臓六腑で忘れられがちな脾臓の「脾」ですが、漢方においては「胃腸」などの消化器系の症状と関連するとされています。ちなみに、脾臓自体は血液やリンパ、免疫に関する働きを持っています。

ぶっさん
ぶっさん

睡眠においては、「疲労感」や「倦怠感」などから「食欲不振」などに関連していると考えられています。

・消化吸収をコントロールする役割

・血液が漏れ出ないように統率する(統血)役割

・脾臓や胃だけでなく、筋肉や四肢、口、唇、涎なども分類

https://www.kracie.co.jp/kampo/kampofullife/basic_kampo/?p=958

腎と不眠

腎に関しては、「眠りと関係あるの?」と思われがちですが、こちらは「ホルモン」や「成長・加齢」と関連があり、睡眠にも大きな影響を及ぼします。

・生命力を貯蔵する役割

・生殖や成長発育、老化をコントロールする役割

・水分代謝を調節する役割

・腎臓や膀胱だけでなく、脳や骨、骨髄、耳、泌尿生殖器、肛門、毛髪、唾なども分類

https://www.kracie.co.jp/kampo/kampofullife/basic_kampo/?p=958

睡眠薬との併用を考える

西洋薬と言われているカタカナで全く覚えられない睡眠薬と併用する場合には注意が必要です。また、抗精神病薬も含め、内服している薬がある場合は、必ず主治医や薬剤師と相談してみましょう。

睡眠薬との違い

強い睡眠導入効果はない

睡眠薬、というのもざっくりとした分類になってしまいますが、漢方薬の場合は「強い入眠作用をもたらす」ような、いわゆる「睡眠導入剤」として直接神経系に働きかけて強制的に眠らせる」役割を持つものはありません。不眠の原因を解消する補助林のような役割と考えると私は腑に落ちるところがあります。

漢方とは役割が違う

作用する部分も大きく異なるため、根本的に「睡眠薬」とは別作用のものであるという捉え方が適切かもしれません。これは、西洋薬では解決できない問題が「漢方薬」では効果がある場合もあるので、上手な使い分けができると治療の幅が広がると思います。

漢方によるメリット

依存性の問題

精神科の看護師をやっていると、睡眠剤との付き合い方は本当に難しいと感じるのですが、そのうちの一つに睡眠薬の「依存性」の問題があります。

ぶっさん
ぶっさん

抗不安薬としても用いられるベンゾジアゼピン系の睡眠薬が代表的ですが、睡眠薬には依存性の高いものがあります。

市販薬として取り扱いがある

漢方の強みだと思いますが、市販薬として販売されているものもあります。漢方薬は飲み続けるようなものではなく、症状が改善されれば不要だと思うので、メリットとしては薄いかもしれませんが、精神科受診は敷居が高く、漢方医を見つけるのが困難な場合に関してはありがたいかもしれません。

不眠に用いられる漢方一覧

こちらは私の勉強のための一覧表です。Amazonリンクも貼っておきましたが、初めて内服される場合には薬剤師や医師との相談が先決です。

酸棗仁湯(さんそうにんとう)

精神を落ち着かせる働きがある。血を補うことで、日中の眠気、怠さなどに対応することもあります。

柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

実証があり(体の調子はいいが)ストレスなどによって眠れない場合に多く用いられます。

焦燥感が強く攻撃的な面のある場合に用いられる。臍上悸(さいじょうき)を認めることが多い。精神不安、抑うつ、不眠や眼瞼の細かい痙攣を認める。チックには第一選択である。

http://www.kampoyubi.jp/learn/practice/09.html

大柴胡湯(だいさいことう)

肝臓やお腹の症状が悪い時に使われる。ストレスなど心因性の反応があり、身体症状を伴う場合に症状を和らげるために使われることが多い。

肝臓部圧迫感、またはみぞおちが硬く張って、胸や脇腹にも痛みや圧迫感があり、便秘するもの、あるいはかえって下痢するもの、耳鳴、肩こり、疲労感、食欲減退などを伴うこともあるもの。

高血圧、動脈硬化、常習便秘、肥満症、黄疸、胆石症、胆のう炎、胃腸病、気管支喘息、不眠症、神経衰弱、陰萎、痔疾、半身不随。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00006246

抑肝散、抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)

精神科でよく用いられる漢方薬です。

小児領域でも用いられ、夜泣きやひきつけを代表とする子供のヒステリなどに使われることもあります。また、認知機能の低下からくる感情の起伏が激しくなった高齢者に用いることもあります。

虚弱な体質で神経がたかぶるものの次の諸症:神経症、不眠症、小児夜なき、小児疳症

http://www.kampoyubi.jp/products/detail/code-83.html

四逆散の変法。肝気が昂ぶり神経過敏症状(抑肝散の証)を呈する場合や、症状が慢性化し腹直筋の緊張が緩み腹部大動脈の拍動が顕著となる場合に用いる。陳皮と半夏を加えることで胃腸の機能失調も改善できる。

http://www.kampoyubi.jp/learn/practice/09.html

ADHDの治療にも

ADHDの治療に漢方が用いられることについての記事もありますので、そちらもご参考までに。

ADHDの治療で漢方薬が処方された時の解釈
ADHDで通院しているのに漢方薬が処方されて「ヤブ医者だ」と思った時に読む記事です。精神科でも漢方薬が使用されることが多く、上手に取り入れることで生活はしやすくなります。

三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)

比較的体力があり、のぼせ気味で、顔面紅潮し、精神不安で、便秘の傾向のあるものの次の諸症:高血圧の随伴症状(のぼせ、肩こり、耳なり、頭重、不眠、不安)、鼻血、痔出血、便秘、更年期障害、血の道症

黄連解毒湯(おうれんげどくとう)

比較的体力があり、のぼせぎみで顔色赤く、いらいらする傾向のある次の諸症:鼻出血、高血圧、不眠症、ノイローゼ、胃炎、二日酔、血の道症、めまい、動悸、湿疹・皮膚炎、皮膚瘙痒症

http://www.kampoyubi.jp/products/detail/code-15.html

加味逍遙散(かみしょうようさん)

睡眠が浅い場合、途中で起きてしまうなどの不眠の症状に対して処方されることが多いです。食欲不振など、元気がない、力が出ないような場合に相性が良いとされています。

体質虚弱な婦人で、肩がこり、疲れやすく、精神不安などの精神神経症状、ときに便秘の傾向のある次の諸症:冷え症、虚弱体質、月経不順、月経困難、更年期障害、血の道症

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)

抑うつ的な症状と合わせて眠れなくなった場合に処方されます。

気分がふさいで、咽喉・食道部に異物感があり、ときに動悸、めまい、嘔気などを伴う次の諸症:不安神経症、神経性胃炎、つわり、せき、しわがれ声

半夏や厚朴を配合し消化管の蠕動運動を調節する代表的な気剤。鰓腸由来の臓器の閉塞感(咽中炙臠、胸満、腹満)を改善する。

http://www.kampoyubi.jp/learn/practice/09.html

レスフィーナ

レスフィーナは、9種類の生薬からなる抑肝散加芍薬黄連水製乾燥エキスを配合した製剤です。横文字ですが、成分は生薬が中心です。

抑肝散加芍薬黄連水製乾燥エキス 2700.0mg
〔ブクリョウ (3433.2mg)
カンゾウ ( 316.8mg)
サイコ (1056.6mg)
センキュウ (1426.2mg)
ソウジュツ (2799.0mg)
チョウトウコウ( 792.0mg)
トウキ (2905.2mg)
シャクヤク (2112.6mg)
オウレン ( 158.4mg)
より得たエキス〕

イララック

いかにも商品名らしくてわかりやすい「イララック」です。漢方でありながらカプセル剤なので内服はしやすいです。

●イララックは、高ぶった神経を落ち着かせ、気持ちをおだやかにする医薬品です
●植物由来の生薬エキスがイライラ感や神経の高ぶり(興奮感)を鎮めます
●味が気にならない、服用しやすいカプセル剤です

パンセダン

少し漢方とは離れるのかもしれませんが、植物性由来の静穏剤。

●鎮静作用に効果の高い生薬を配合した植物性の静穏薬です。
●人前で緊張しやすい方、試験や会議の緊張感、禁煙中やダイエット中のいらいら感や
それにともなう頭重・疲労倦怠感の緩和におすすめの淡緑色のフィルムコーティング
錠です。

https://search.sato-seiyaku.co.jp/pub/search/dispproduct.php?productid=606&ref=Command%3Dtop%26li%3Dha

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