タイトルの通りですが、「きれいな水が手軽に飲める」が売り文句のウォーターサーバーですが、実際のところは危険もいっぱい潜んでいます。

まして、赤ちゃんにそのまま飲ませようだなんて、危険すぎる!
、、、という煽りです。危険すぎるというのは誇張。ウォーターサーバーの水はそれなりには綺麗です。
ですが、実際にウォーターサーバーの水が危険である可能性については知っておいた方がいいかと思い、このページに情報をまとめてみました。
- 水道水より法律による安全面の規制が緩い
- ボトルが汚い可能性がある
- 塩素・カルキで汚染を予防できない、細菌が繁殖しやすい
- ウォーターサーバーが衛生的に汚い可能性がある

ウォーターサーバーだから綺麗な水とは限らない

ウォーターサーバーの水質についてまとめていきます。
結論から言えば「飲めていない可能性もある」
ウォーターサーバーの水は、「開封後に数日にわたって常温保存される」のが基本です。ですが、品質保証されるのは、開封前の状態。お腹壊しても、「お宅の管理が悪かったんじゃない?」と言われるのが関の山。
開封後の品質は保証されない
「開封後」のウォーターサーバーの水って食品衛生法の清涼飲料水成分規格をすり抜けています。

ボトルの段階では、食品衛生法の基準に沿っているのですが、開封後の品質については安全だなんてお墨付きはないんです。
これは、「ペットボトル開封後に放置したジュース飲んで腹壊したら自分のせいでしょ」っていうのと一緒です。あれは半日放置するだけでかなり雑菌が繁殖するからね。
でも、ウォーターサーバーは性質上、ボトル開封後に何日間にもわたって同じ水を飲み続けるので、法律的には何の安全も保証されていない水になるわけです。
ウォーターサーバーの「機能」が大事
もちろん、ウォーターサーバー提供会社もそれは百も承知。水道水より安全に飲めるように工夫しているのがウォーターサーバーのいいところです。
少しでも雑菌を減らせるよう、自社規格をつくって、安全を証明すべく、開発努力を続けています。
メーカーの工夫で「クリーニング機能」を搭載
最近は、熱水による殺菌効果を期待して、高温水を循環させて自動でメンテナンスしてくれるサーバーも多くなりました。むしろ、最低限、熱水消毒くらいはしていないと怖くてサーバーの水は飲めないな、と思っています。
フレシャスのサイフォンプラスやdewo miniではUV-LEDを搭載して、紫外線の力で殺菌させる、なんて高度なテクニックを披露してくれる機種も現れました。
ウォーターサーバー会社で「食中毒」関連の事故は、会社の信用問題どころの話ではなくなるわけで。わたしの意見としてはウォーターサーバーが提供している水に関しては「安全」だと思います。
使用者の管理の問題にされる
つまり、ほとんどの場合は、「ウォーターサーバーを使用するあなたの管理の問題」となります。美味しくて安全で綺麗な水を飲むためには、サーバーを衛生的にメンテナンスし続けることが、絶対条件となるわけです。

浄水場から出た水が綺麗でも、汚れた蛇口から出た水が汚いのと一緒だね。

せっかくラクをしようと思って、ウォーターサーバーを導入したのに。
安全に清潔な水を飲むためのポイント

以上の4点です。
おおもとの水質については、我々の手ではどうしようもない部分があるので、それは会社選びの際に検討するとして。

私は看護師ですが、医療的な清潔不潔の観点から考えると、水質以前に、我々の手だって不衛生な部類に属している状態なわけです。
自分たちでできる対策についても記載しています。
本当は水道水の方が綺麗

というよりも、水道水は「法律が厳しい」上に、「地域住民の厳しい目」でもチェックされているから、飲み水としては最上級の安全性が保たれています。比較対象が強すぎ。
「天然のおいしい水」だから危ない、カルキを抜いたデメリット
ミルクをつくるときに、これでもかってくらいに煮沸させるのは、「カルキ」を抜くためです。
あの、「水道水くさい」「消毒薬の味がする」っていうのは、いわゆる塩素、カルキの味であることが多いです。

これは、消毒処理のために必要な行程なので、水道水はどうしても「不自然な味」になってしまうんですね。(心理的な要因も大きいとは思いますが)
天然水は「処理をしない水」である
天然水が天然水たる所以は、これらの処理をしないでペットボトルにつめられること。
逆に言えば、消毒処理をしていないので、汚染した場合は雑菌が繁殖しやすい環境になっているとも言えます。
この辺りが、赤ちゃんに飲ませてもいいと考える水質を判断するポイントと言えます。
塩素の消毒効果
水道水に塩素が入っているのは、塩素を次亜塩素酸イオンという物質を生成するためで、これが食中毒などの感染症を引き起こす菌をやっつける役割を持っているからです。
当然、塩素がなければこの作用は期待できません。
意外と知られていない水道水の塩素消毒の話|日本薬学会
水道水の基準は「一生飲み続けても大丈夫な水」
水道水については、塩素の安全基準も設けられています。塩素も当然検査の対象でして、一生涯摂取し続けても安全という量が守られています。
一方の、天然水、こちらは「味」を求めているためのものなので、水道水ほど厳しい基準は設けられていません。
ヨーロッパでは天然水はむしろ殺菌処理しちゃいけない
日本では殺菌が基本の天然水、ヨーロッパでは逆で、殺菌処理してはいけないという決まりがあるそうです。
ただし、これは古くから「水源を守る」環境保護の視点があった地域だからこそなせる技。それと体質にあった水質、という部分も考えないといけません。飲み慣れない水を飲むだけでお腹の調子は崩れます。
クリプトスポリジウムは塩素耐性もち
塩素に耐性のあるやつもいます。
それがクリプトスポリジウムという、原生虫ですね。
1996年には国内でも初めての水道水事故となった
1996年に埼玉の水道水で集団感染が起こりました。
埼玉県越生町の住民約13,800人のうち、約8,700~8,800人に集団下痢、腹痛が発生した。 寄生性原虫クリプトスポリジウムの混入した排水が越辺川に流れ込み、数十年ぶりの渇水で川の水量が減っていたこともあり、下流の大満浄水場で取水した水にクリプトスポリジウムが混入したものと推定される。国内で初めて水道を介した集団感染になった。
http://www.sydrose.com/case100/313/
水道も危ないじゃないか、という声も聞こえてきそうですね。
5類感染症に指定
塩素でもやっつけられない耐性があるのがクリプトスポリジウム症の特徴です。
日本では感染症の5類感染症に指定されています。
塩素でやっつけられないので、水道水が汚染するとかなりの感染被害が起きますが、当然、クリプトスポリジウムへの対策もされているのでご安心を。
水道水の方が法律としては厳しい
当然と言えば当然なのですが、意外とウォーターサーバーを欲している我々が気づいていないのは、「実は水道水の方が安全なんですよ」ということです。
我々の家庭の水は水道法で守られている
水道の水は「水道法」によって決められていて、健康的に保障された安全な水が、 51項目の水質基準など、かなり厳しい検査を合格した上で、各ご家庭に届けられているんです。
放射性物質についても厳密にチェック
東日本大震災以降、放射性物質についても様々な論議がありましたが、水道水は当然、放射性物質についても厳しくチェックされています。
評価値の算定に当たっては、WHO 等が飲料水の水質基準設定に当たって広く採用している方法を基本とし、食物、空気等他の暴露源からの寄与を考慮しつつ、生涯にわたる連続的な摂取をしても人の健康に影響が生じない水準を基として設定している。
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000ypmm-att/2r9852000000ypu6.pdf
つまり、基準は「一生飲んでも健康な水」なわけです。
水道水の管理に問題があるケース
持ち家の場合は、家までの水道管の劣化、マンションなどの集合住宅にお住みの方は「貯水タンク」に注意が必要です。

注意しても、自分では対策が取れない。。。
貯水タンクと水道管の危険性
残念なことに、水道管やマンションの貯水タンクに関しては、水道法では保証されていません。
錆びた水道管を通れば鉄くさく、貯水タンクが洗浄されれば消毒っぽい味になったりする可能性はあります。
過去には、貯水タンクの中に動物の死骸が、なんて話もあるそうですね。
水道管や貯水槽が汚すぎる!これを見ても今まで通り使いますか?
水を汲んだ後だって危険はいっぱい
ちなみに、蛇口の取っ手や手拭きタオルは結構汚れが残りやすいところ。
- 手を洗う(清潔)
- 水を止めるために取っ手に触る(汚染)
- タオルで手を拭く(さらに汚染)
という、無駄なことを、我々は結構しています。医療機関は、基本的にペーパータオルと自動水洗。手洗い後にどこかに触る構造には絶対にしませんね。
一般家庭だと、別にそこまで求められないし、汚れたところで、よほどの病原菌が付着したり、感染力が高いウイルスがいない限りは、自分の免疫の力があるので、めったにお腹は壊しませんけどね。
蛇口の取っ手と手拭きタオルは雑菌が多い
キッチンで一番汚れているところは、雑菌臭の強い排水溝は想像しやすいですよね。でも、蛇口の取っ手と手拭きタオルが結構汚れていること、ご存知でしたでしょうか
トイレの便座は触るのに抵抗がある方でも、キッチンの蛇口とタオルは触りがちですよね。

水道水について注意すべき点
水道水も危険がある、という話です。まぁ、安全の話を始めるとキリがないんですよね。
水道水にはトリハロメタンという発がん性物質があることも
また発がん性物質が含まれている、ということで浄水器メーカーなんかがCMで見かけた方も多いかと思います。
特に、塩素消毒の際に発生するトリハロメタン、なんかが有名ですね。
たとえトリハロメタンが含まれていてもごく少量
これも、安全基準はクリアしていて、一生飲み続けても大丈夫とWHOのガイドラインに沿った水道水なんです。
なんですけど、「発がん性物質が入っているなんて信じられない!」という方もいるのは事実。その不安を煽って、まぁいろいろな商売につなげるのが、それぞれのメーカーの役割なんです。

中立的な立場で言わせてもらえば、WHOのガイドラインが100%正しいか、っていうとそうとも限らないしね。あれ、世界基準だから。
水道水のチェックポイント
ウォーターサーバーを選ぶ・見直す際に、水道水のポイントをおさらいしておきます。
水道水の方が安全面で優秀なポイント
水道水でも気を抜けないポイント
ウォーターサーバーの水の安全は「食品衛生法」が基準

続いては、ウォーターサーバーの水は綺麗なのかどうか、について。

もう、水道水でお腹いっぱい。タポタポです。。。
食品衛生法について
ウォーターサーバーの水も、ペットボトルのお水と一緒で「食品衛生法」が基準となります。
食品衛生法の場合は、殺菌・除菌をした水は39項目、無処理のミネラルウォーターになると14項目に減ります。
無処理なのに検査項目が減るとなんだか心配になりますが、実際には今度は採水地となる原水に対して制限がかかるので、それなりに安全ではあります。
この辺りは詳しくは別記事にありますので、気になる方はこちらもご確認ください。

食品衛生法と無毒性量とミネラルウォーター

余談にはなってしまうが、豊洲市場の地下水問題をみなさん覚えておいでだろうか。
あの地下水、当然水道水の基準だとアウトな訳だが、実はミネラルウォーターの基準だとOKになるということは知ってますでしょうか?
〈数値自体も、たとえば鉛やヒ素などに関しては、水道水の方がミネラルウォーターより5倍ほど厳しい。豊洲市場の地下水のヒ素も、水道水としては不適格だが、ミネラルウォーターなら大丈夫な水準ということになる〉
https://www.dailyshincho.jp/article/2016/11010620/?all=1
豊洲市場の地下水、ミネラルウォーターならOK? 高すぎる安全基準
これは、「水道水の基準が厳しくね」という見方もあるけど、「ミネラルウォーターの基準、甘くね」とも感じられるところです。
無毒性量と安全係数
ちなみに、水道や食品の基準値というのは、「無毒性量」という値を参考にして設定されています。
普通に飲んだり食べたりする分には大丈夫だけど、たくさん食べ過ぎると有害なことが起こる飲食物は多く、無毒性量を100倍にかけたものを安全係数と言います。
なぜ、「安全」かというと、動物実験でも有害な反応が出た最小の値に対して、「動物とヒトは違うから10倍くらいかけとこう」と「ヒトとヒトにも個人差があるからさらに10倍かけとこう」ということで100倍にしているからです。
言い換えると、「その数値の100倍食べても有害な反応が起こるか起こらないか微妙」という感じです。とはいえ、実際に100倍摂取した時に何もないかと誓えるかと言えば、やはりそれはそれで難しいのです。
安心して水を飲むためにできることは5つ

飲む直前に処理するのが一番安心ですね。方法としては5つ。
やかんの煮沸がシンプルイズベストな方法
原点に帰ってきましたね(笑)
やはり、安全なのはやかんの煮沸ですね。これ、電気ケトルだとダメなんですよね。
電気ケトルだとダメな理由
ケトルは沸点に達するとすぐに加熱をやめます。実は、沸騰させるだけだと、トリハロメタン(の濃度)は増加します。

10分以上煮沸することで、トリハロメタンは蒸発します。
ただし、この根拠は昭和50年代の大阪市水道局のデータだったりします。3分で100%除去できたとする、東京健康安全研究センターの記事もあるみたいです。(みつけられませんでした)
沸騰継続時間は10分が無難
私が見つけられたのは、雑誌『環境化学』の記事だけでした。
この記事内では、水道水の塩素とトリハロメタンの加熱実験を行い、塩素が他の有機物と反応して加熱中にトリハロメタンが増加したことが書かれています。記事を読む限りでは、10分の加熱かな、という感じはします。
実験に設定したトリハロメタン濃度や水道水に含まれる物質によるかな、という気はします。
種々の加熱条件下における水道水中の残留塩素, トリハロメタン,2-メチルイソボルネオールの濃度変化
蒸発したトリハロメタンは危なくないのか?
勘のいい人は「じゃあ揮発したトリハロメタンはどこに」という疑問もあるかもしれません。面白いもので、ちゃんと研究されてるんですよ。
入浴中などの揮発したトリハロメタンなど、かなりたくさんの研究を読み込まれた論文があります。
詳細につきましては、ご一読お願いします。
ウォーターサーバーも自動メンテナンスの時代
熱湯消毒は基本的な対策方法となりますが、天然水の場合は味が壊れる可能性があるのがデメリット。
ちなみに、ウォーターサーバーの自動メンテナンスも、基本は熱湯殺菌になります。それぞれのサーバーによりますが、基本的には「給湯につかう熱湯を循環させることで熱湯消毒する」のがウォーターサーバーの自動メンテナンスの基本となります。

あとは、汚染の機会を減らすために、なるべく外部との交通を減らし(汚染させない)、空気の通り道にもフィルターをつけることで対応しているサーバーが多いですね。
UV-LEDは紫外線の力で水質変化を最小限にして殺菌できる
皮膚には悪いが、殺菌効果は高いのが紫外線です。
加熱処理をしないから「おいしい」と売りにしているウォーターサーバー会社もありますが、結局、サーバー内で長時間の熱水処理をしているメンテナンス方法がよくみられるようになりました。

私自身は、味を保証するより安全・安心を売りにした方がありがたいのでいい流れではあるのですが。
最近は、フレシャスdewo miniのように、加熱処理しないで、サーバー内でも紫外線除菌できるものが増えてきたのでありがたいです。
紫外線殺菌のデメリット
ウォーターサーバーの細菌学的調査
麻布大学の古畑勝則教授の研究によると、ウォーターサーバーの3割程度は水道水の基準を上回る雑菌が見つかったとのことです。
「ウォーターサーバー水の衛生的現状」「衛生的視点からのウォーターサーバーの将来像」など書かれている教授のようです。
また、ウォーターサーバーの細菌については、インターネット上でも、 「ウォーターサーバーの細菌学的調査」という論文を確認することができます。
私の意見になりますが、結論だけ書くと、
と私は感じました。
浄水器はデメリットもあるが普段利用は一番ラク
ちなみに、浄水器は3タイプあります。別記事もあるので、今回は簡単に説明します。

浄水器水道直結型のポイント
簡易取り付けのものだと安くて簡単につけられるけど、フィルターの効果が弱い。
据え置き型浄水器のワンポイント
据え置きタイプはビルトインに比べれば設置簡単だが工事は必要。高い。蛇口の横に変な機械をおかないといけない。
RO水が簡単に飲める据え置き浄水器「COWAY:NEOS」
フィルターだけで1万円を超えます。
ビルトイン型浄水器のワンポイント
フィルター交換の手間とコストがかかる。工事の規模が大きい。でも一度つけちゃうと一番ラクかも。
浄水ポットは洗浄の手間が増えるがコストは安い
浄水ポットは、活性炭などにトリハロメタンは吸着します。

「飲み放題」水道直結サーバー
ちなみに、最近は水道直結型のウォーターサーバーも出ていますね。ライフセレクトのKSサーバーはその中でも人気のウォーターサーバー会社です。

水素水がらみで紹介したことがありました。
このページのまとめ:結局、安全なのかそうじゃないのか

最後までお読みいただき、ありがとうございます。まとまりのない文章で大変申し訳なく思いますので、最後のまとめはなるべく簡潔に仕上げていきたいと思います。
ウォーターサーバーの水は安全か否か
- ウォーターサーバーの水は安全ではあるが、サーバーやボトル・パックが汚れていると汚染が広がりやすいとは考えられる。
- 水道水の方が厳しい基準ではあるが、ミネラルウォーターは一般的な食品と同じように考えて安全性を考えても大丈夫
- 無理にウォーターサーバーじゃなくても、色々な方法で安全な水は手に入る
ウォーターサーバーに関するおすすめの記事
ウォーターサーバーに関連したおすすめ記事なども紹介しています。
一番おすすめのウォーターサーバーはフレシャス
安全性だけを考えれば、RO水の方がいいかな、とは思うのですが、なんのためにウォーターサーバーを頼むのかって考えると、ミネラルたっぷりの天然水が飲んでみたい気持ちはあると思うんです。
水の安全性で考えた場合、次に大事なのは「リターナブルボトルではなく、ワンウェイ(使い捨て)パック」であることです。リターナブルは環境には優しいのですが、どうしても人の手に触れる機会が多く、汚れが残りやすいことで知られています。
そう考えると、「天然水」で「ワンウェイ式」で、しかもキレイを長続きさせるサーバーを提供してくれているところでは「フレシャス」がお勧めになります。

体験から学ぶミルクの一番お手軽な作り方
こちらは別記事になりますが、ウォーターサーバーを最大限に活かしたミルクの作り方をレクチャーしてます。パパも読んでね。

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