水素を生活に取り入れられないか検討中です。
「水素が健康にいいらしいけどどうしたらいいのかわからない」とお考えの方。水素水として飲用する方法もあるし、水素をガスのように呼吸で取り入れる方法もあるし、水素風呂として浴びる方法もあります。

この記事は水素に興味がある人よりも、「水素の効果なんて疑わしいぜ」という人に読んでもらいたい記事です。
どの方法が一番効果的なのか、考えてみました。
水素の効用について
水素の効用については、検討の余地があります。
水素の効用はどこまで期待すべきか

正直、空気中に無限に存在する水素が、体にいいとは思えない。

水素が体にいいなら、みんな健康。
そこらにあるから、わざわざお金を払ってまで生活に取り入れたくない。そう思いますね、私は強くそう思っています。
しかし、同時にいま新しく進んでいる技術に関しては興味があります。
水素を透析に組み込む「日本トリム」の事業
日本トリムは飲料として「水素水」だけではなく、透析にも応用した医療としての水素を積極的に研究されている企業様です。
分子状水素(H2)溶存血液透析液を使った新しい血液透析療法は、慢性血液透析患者の予後を改善する:前向き観察研究
このように透析に取り入れた研究をされていますし、結果がうっすら出ているようでもあります(透析結果としては有意差はないようですが)。
効果を否定する声も大きい
とは言え、効果に関しては疑問の声が多いのも事実。
エビデンスに乏しい
上記の記事が大変興味のある部分に突っ込んでくれているので是非読んでほしい。 以下は、引用である。
医学的根拠に満たない研究ばかり
効能やメカニズム、科学的な根拠が示されているとは言い難い。せいぜい試験管レベルの化学式でお茶を濁している程度で、エビデンス(医学的根拠)にお目に掛かったことはない。
https://diamond.jp/articles/-/86125
抗酸化作用が期待される面は大きい
H2を巧く取り込めれば、活性酸素種(ROS;Reactive Oxygen Species)中で最も酸化力が強い(とされる)OH・による害を減らしてくれそうではあるのだが。
https://diamond.jp/articles/-/86125
ちなみに、さらに上記の記事の参考となった論文が以下にURLをおいておくので、興味があったら読んでみてほしい。
動物実験では効果も見られている
水素水の飲用は、動物モデル段階では、
動脈硬化症におけるアテロームの増加,糖尿病における脂肪代謝,ストレスによる認知機能低下,薬物によるドパミン神経細胞の変性,シスプラチンの腎毒性,慢性移植腎症,心臓や肺の放射線障害などがそれぞれ改善された。
とある。

水素水に期待する効果は多岐にわたる
つまり、もしも人間にも同様の効果があると期待すれば、
- 動脈硬化
- 糖尿病
- ストレス
- 腎臓疾患
- 放射線治療の対症療法
なんかに効果があるのでは、という推察がなされるわけである。
吸入と水素風呂使い分けるなら
敢えて、筆者なりに使い分けを考えてみると次のようになる。
・全身にH2を行き渡らせたいなら、小まめに水素ガスを吸引するとよいかも。
http://diamond.jp/articles/-/86125?page=4
・消化器系をターゲットにするなら、水素水の飲用も、ものによってはメリットが得られるかもしれない。
・皮膚の不調を改善したい場合、入浴剤タイプの水素風呂を試してみてもいいかもしれない。
先ほどの記事より引用したが、そこに私見をくわえていく。
上記の記事でも取り上げられていたが、正直、水素水は飲んでもすぐに体から出て行く。なので、全ての細胞に抗酸化作用をもたらすことはそもそも考えづらい。

薬の作用機序に合わせて水素を考察する
私は、うっすらと医療業界で働き続ける病院系の社畜です。こんなみてくれですが、国家資格持ってます。そんな私の、資格試験対策で得た知識を存分に活用していきます。
薬なんかはどうやって効果を発揮しているか
水素の効果的な体内摂取方を考える前に、そもそも体に影響を与えるもの、つまり薬なんかはどうやって摂取しているのでしょうか。

薬の経路と合わせて考えてみましょう。
薬の作用の仕方
ちなみに、薬とかはどうやって体の悪い部分に作用しているのでしょうか。
水素の静脈投与
体に速攻で行き渡らせる一番てっとり早い方法は、血管内に直接注入して血流に乗せる方法です。肺循環であれば数秒、体循環であれば数十秒で血液は循環します。

でも、家で注射で水素注入とか、こわくない?

自宅に使用済みシリンジとか転がってたら、何か別のことを疑われそうだよ!
家庭でシリンジに水素を充填させて血管に投与するイメージはなかなかわきませんよね。 ちなみに、注意点として、水素は別に薬物ではない。体に水素を循環させる方法として「薬」という表現を使っていることは伝えておきたい。
水素関連は、基本健康「食品」の範疇である。
水素を体内に取り入れる経路
今は、だいたいこのような商品が発売されています
水素関連商品の分類
体内投与経路に分別
これを体内に取り入れる経路にわけてみます。
経口投与
- 水素水
- 水素サプリメント
吸入投与
- 水素ガス吸入
経皮吸収(外用)
- 水素風呂
- 水素化粧品
- 水素ミスト
こうなりますね。
もしかしたら、水素風呂とかは水素ガスを浴室に満たして吸入効果も(微弱ながら)あるのかもしれないけど、とりあえずはこういうことにしておきます。
あえて水素を摂取するなら「経口」で
結論を先に言うと、経口摂取が一番無難です。ただ、効果のほどをそもそもあまり期待していないから、というのが大きな要因の一つです。
- 吸入(水素ガス吸入)
- 経口(水素水、サプリメント)
- 経皮(美容コスメ、ミスト)
一番信頼度が高いと私は考えています。
そして、もし水素が危険な副作用を伴う場合は、全て順位が逆転します。個人的には水素によるリスクは少ないという見解ではありますけどね。
水素の取り入れ方法によるおすすめ
水素の摂取方法別お勧めです。
水素ガス吸入に関する見解まとめ
吸入が一番効果が高い上に、水素ガスとの相性は良さそうです。
ただ、器具導入にかかるコストが大きいのと、そもそも水素による効果がどこまで期待が持てるかは疑問が残る段階で、そこまで経費をかけたくないので、おすすめはしません。
水素吸入をあえて勧めるならこんな方
- 経費は問題としない方
- 水素に大きな信頼と期待をしている方
水素ガスの吸入に関する記事にまとめました。

KENCOSについて(携帯水素吸入)
KENCOSがネット広告でよくみかけるようになってからか、当サイトが検索に引っかかるようになってしまいました。どうせなのでKENCOSの情報について記事にしてみました。

「水素水」による経口摂取が継続しやすくお手軽
こちらも水素水を経口で摂取することについてまとめた記事に詳細を載せました。

簡単に言うと、「胃に届くことによるメリットが示唆されているし、何より体への害も少なそう。かつ安価に続けられる」ということです。
経口摂取を勧めるならこんな方
- 手軽に「水素」の効果を実感したい
- 毎日継続して摂取したい
- ある程度のコストは見込み予算として割り切れる方
経皮的投与
いわゆる、皮膚から浸透させる方法で、入浴剤やコスメなども多く商品化されています。また、一部の水素ガスについても経皮的投与効果が期待されているものもあります。
美容のための化粧品はどうか
個人的にはあまり効果の見込みはないのではないかと思わなくはないのですが、水素自体は小さな分子ですので細胞には透過しやすい性質はあります。
水素ガスを溶かした水分が、効果的に悪いこと(シミや肌の活性化)をしている活性酸素だけを狙って還元するか、というと、それはうーんとうなるところだなぁ、というところです。
はい、水素に関するコスメも別記事に用意しました。
入浴剤形式も多い
入浴剤は、どちらかといえば温泉と一緒で「効果を期待すればするほど精神的にも影響がある」と一緒の可能性もありますが。ただ、全身の皮膚からの水素浸透が期待され、かつ水素ガスを吸入する、という側面もあります。
水素発生器もある
純伝式で、自宅のお風呂が水素風呂にかわる、なんて商品も販売されています。

水素関連の化粧品、コスメを勧めるならこんな方
- 水素を経皮的に補給したい方
- 皮膚の部分的に水素を浸透させたい方
- 使い切り品で安価に試してみてから、経口摂取に移りたい方
結論は水素水の経口摂取が一番お手軽
効果のほどは別としても、吸入ほど敷居は高くないし、毎日摂取しやすいという点では、経口摂取が一番継続しやすい方法かなぁ、と思いますね。

「高濃度水素水」の効果のほどは、研究が進まないことには良いとも悪いとも言えないな、というところが、いち医療者としての見解です。

まぁ、期待感はありますけどね。
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