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「正しいこと」と「悪いこと」ってなんだろう?
正しいことと悪いことを教えるのは、聖職者じゃないと出来なさそうですが、親はいつだって子の鏡になってしまうので、自分でできることを粛々とやるしかないのです。
親が考えている「正しいこと」がそもそもズレているケースもあるのですが、大切なことは、子供にとってどうすべきを考えて、いつだって価値観をアップデートさせるという気持ちが重要なのです。
一般的には良いとされる行動をさせること
例えば、学校と不登校の問題があります。子供が「学校に行きたくない」と言ったら、「いいから行きなさい」という時代で育った我々は、実際に子供に「学校に行きたくない」と言われたら戸惑ってしまいます。
単純に「行くのが面倒だから」という理由と、その影に「いじめなんかがあるのでは」という面倒な問題が隠れているかもしれません。
親の脳は「子供が学校に行けば解決」と思いたがる
この場合、我々の脳はシンプルに処理をしたがるので、子供が「行くのが面倒だから」行きたくないと言っていて、「行ってくれれば解決」だと解釈したがります。特に、自分が忙しく朝の準備などしている時だと尚更です。
さらに、「毎日学校に行くべきだ」という価値観も邪魔をします。学校に行くことは「いいこと」なので、行きたくないというのは子供の甘えだ。自分にも行きたくない時はあったけど、頑張って行くことができていたし、当然、子供もそれくらいできるはずだ。
面倒ごとを遠ざけるための理由づけに関しては、脳は恐ろしく演算処理が早くなります。頭がいい人、余裕がある人なら、演算処理のバックグラウンドで「でも、もしいじめだったら? 先生から嫌なことを言われていたら」なども想像できますが、私のような発達障害や、あるいは心理的に余裕がない時はこの処理が省略されます。なんだったら、「自分は正しいことを言っている」と勘違いする場合もあります。
学校に行きたくないと言ってはいけない、と学習する子供
ちなみに、大体の場合は、やっぱり子供は学校に行きたくないだけでこの時に「あぁ、学校に行きたくないって言っちゃいけないんだな」と学習します。賢明なる皆様は、ここに大きな落とし穴があることにお気づきでしょう。適応障害や鬱になる、誰にも相談できずに自殺を選ぶ事件の背景には、日常的な会話からの「先入観」が大きく影響しています。
同じように、子供の脳も、面倒な処理はなるべく遠ざける傾向があります。親に一度受け入れられなかった命題は、相談すると余計に面倒なことになると学習して、なるべく考えないようにする・気持ちの奥深くに隠すように処理します。この辺りは、HSPなどの共感性の高いほど顕著だとは思いますが、特別な子と言うよりは正常な脳発達を見せる子の方が同じような運命を辿りやすいとも言えます。
あえてどきりとする例題を上げてしまいましたが、「一般的には正しいこと」こそ、親は何も考えずに子供に怒鳴りがちです。社会という建前がある方が、自分の考えではない分、言いやすいのかもしれません。
コロナ自殺の話でも触れましたが、「正解通りに歩けない」時は、生きていれば必ず遭遇します。ただ、この時にあまりにも逃げ場がないと、人は死ぬことを選ぶしかないと錯覚します。正解を選び続ける人生というのは、実はリスクを抱え続ける行為に他ならず、早い段階で「失敗する」ことと、そのためのリカバリーはいくらでもできることは、親も子供も知っておくべきことだと思います。
一般的には悪いとされることを教える
逆に、「悪いこと」をする場合の注意も一度考えてみたいところです。
倫理と道徳と社会規範
まず、やってはいけないこと、とは何でしょうか? 私は子供を育てるにあたり、「危ないことと、人に迷惑をかけることはないように怒ろう」と決めました。結果、大失敗しました。
危険なことについては、別のページでもまとめましたが、「悪いこと」の定義はあまりにも難しい。自分なりに「人に迷惑をかけない」というのは一線として設けたのですが、これも思い上がりも甚だしい間違いでした。
夫婦間での見解の違い
まず、人に迷惑をかけないという点ですでに夫婦の見解が分かれました。「別に、人に迷惑をかけてもいい」というのが妻の意見。私には青天の霹靂の一言で、目から鱗が落ちましたし、同時に「やっぱり妻だけに子供は任せられないな」と確信しました。
例えば、「人に迷惑をかけてもいい」というのは肩の荷が降りる言葉なので、私もいいなと思ったのですが、妻の言い分はさらに「自分が得をして生きていければ、他人は損をするようなことになっても構わない」というものなので、少しニュアンスが違うわけです。
まず、先に言うと、妻は世間一般でいう「ズル」をするタイプの人間です。わかりやすく言えば、価値観の全てが自己中心的です。責めているわけではなく、普通に成長して、普通に社会で暮らしていれば「ズル」をした方が得だと学習します。つまり、この社会に疑問なく育ち、健全に発達した証です。
我が家のことを言い出しても仕方がないので端折りますが、「私は頑張らないけど、あなたが頑張らないのは不公平だ」と言える類の人です。これを言われた時は、度肝を抜かれました。すげぇなって。
そして、この手のズルい人間にありがちな「目先の小銭の損得にめちゃくちゃうるさい」です。わかる方には、これだけの特徴だけで十分に妻の価値観が伝わるかと思います。
正しいかどうかは別として、夫婦で価値観が異なることはよくある、というかあって然るべきものです。ただ、子供を注意する際には、この曖昧さが子供を混乱させるし、子供が「悪いことをしてもいい」と学習する原因となります。
「人に迷惑をかけてはいけない」という思い込み
先に、私の失敗を考察します。まず、人に迷惑をかけてはいけないというのは、曖昧である上に、ハードルが高く、親も妥協しがちです。人に迷惑をかけないで生きていくことは無理です。
私の中では、「悲しむ・寂しい思いをさせない」「暴力はしない」という基準はあったのですが、相手の気持ちを洞察するのは子供には難しく、何歳から取り組むべきかも特に考えないままに、「それはだめ!」と起こり始めたことを後悔しています。
体罰すらOKな価値観だってある
ちなみに、うちの妻は「体罰OK派」で、実際に1歳の時に子供が手を出した時にはたき返していました。「これくらいなら」と思う方もいるかもしれませんが、私にとっては妻のなかに「理由があれば子供を叩いてもいい」という価値観があることに驚きました。
実際、「私の子供の時はこれくらい普通だった」「叩かないとわからないこともある」という、いわゆる体罰派の持論が聞かれたのですが、どんなことであれ、体罰を容認することはよくないと私は考えています。
体罰に関しての論議はまた別の機会にしますが、体罰はつまり「何か理由があれば暴力で抗議してもいい」ということを親を含めた教育者自身が証明しているに他なりません。その理由が適正かどうかは、結局、暴力をする当人によるものなので、社会的にも容認できることはありません。
とはいえ、体罰をしてしまう日も必ず来る
どんなに親が「体罰をしない」と誓いを立てても、それが破られる日も必ず来ます。「怒り」の話をしましたが、人間が子育ての中で怒りを感じずに過ごすことは無理です。大人気なく子供と普通に喧嘩してしまう日もあるでしょう。その中で、例えば「暴力」というようなものではなくても、つい子供に暴言のようなことを言ってしまったり、あるいは叩いたりしなくても物を床に叩きつけて怒りをあらわにすることもあると思います。
実際、私も子供のおもちゃを床に叩きつけてしまったことがありますし、子供に言い聞かせようとして力が入ってしまい、子供が痛いと感じるレベルで手を握ってしまったこともありました。
一見、体罰ではないように見えますが、暴言であれ態度であれ、相手が必要以上の恐怖を感じればそれは体罰であり虐待であり、少なくとも教育的に正しい物ではありません。子供は親を信じるしかありませんから、それを正しいことだと錯覚しますし、大体の場合は訴えることもないので子供の恐怖は子供の中で処理されます。
法律を守るということ
妻の話をしたので、ついでに自分が疑問に思うことを挙げると、例えば「不法侵入でショートカット」することを子供と一緒にやります。私は隣家であっても相手の土地に断りなく入ることは気持ちのいいものではないし、そもそも法律に触れているので遠回りして家に帰りますが、妻は疑問なくできます。
例えば、道路が赤信号でも渡る、みたいなことも日常生活ではありうると思います。絶対に車が来ない、ほんの数メートルの横断歩道って結構あるのですが、やっぱり妻はこれも横断します。
私も、自身の経験から「親が法律を無視する」ことはあると理解はしていますが、子供に真似をして欲しいかと言われれば「絶対に渡れる赤信号なら渡りたいところだけど、それでも我慢できる大人になって欲しい」し、「安易に法律を破る選択肢を視野に入れてほしくない」ということ、第一「バレなきゃ法律は破ってもいい」価値観は危うく、自分で説明するにも「安全に渡れる赤信号は良くて、普段信号無視しちゃいけない理由は何か」を説明するのは案外難しいので、とにかく子供の前では考えられる限りは正しく振る舞います。
正しいことと悪いことの教え方
少し時間が経ってから記事を見直している最中で、この記事はこの世の中に存在する必要はなさそうなので消してもいいと気がつきました。とはいえ、せっかく書いたので一応残しておくかと思い、ついでに子供に「正しいこと」「悪いこと」を教えるときの目安というかポイントのようなことだけ少しまとめておきます。
正しいことと悪いことの線引きポイント
本当は怒らなくてもいいのに怒ってしまうことについて記事にしたものがあるのですが、怒るのってやっぱり難しいですね。だから、なるべく怒らないことが一番、親にとっても子にとってもメリットが大きいと考えています。
だから、怒らなくていいラインを見直して、怒る必要性をなるべく無くすことで、我々親にとっての責務を軽くしつつ、自主的にものが考えられる子に育てばウィンウィンなわけです。
ポイントの見極め方
- 法律に違反していないか
- 子供の行動の影響が親だけで対処可能か
- 怒る内容は親も守れるルールであるか
- 子供にも理解可能な内容であるか
少し、怒るポイントとかぶるところではあるのですが、考え方としては、親が解決できることなら子に無理強いしないで親が解決する。子供を甘やかすことにつながると思って、できる限り正しいことばかりを教えようとすると、子供にとっても親にとっても窮屈になりがちです。
まずは、自分(親)にも守れるという大前提の元で、少しずつ子供に教えていければいいのです。
「電車で騒ぐ」「店の商品で遊び出す」など、世間一般的に「悪い」とされることであっても、親が十分に対処できると判断すれば無理に怒らなくてもいい。ただ、電車で騒いだり、店の商品で遊んだ場合に、「誰かが嫌な思いをする」「法律に違反する」可能性については、その都度しっかりと伝えていく。
怒らずに伝える技術
「怒る」と「伝える」のニュアンスの違いが難しいところですが、「感情」に伝えるか「情報」として伝えるかの違いだと思います。
怒るがメリットになるとき
怒る場合は、相手に「恐怖・不安」を与えることで、事態を理解していなくても一次的に行動を静止する際には有効です。ただ、行動制止なら相手を抱き抱えてリスクから回避させればいいだけなので、あえて怒鳴りつけることにメリットがあるシーンというのは、思った以上に少ない。
自分で怒るラインを線引きして「妻が怒ることを聞かずにやめない」時は私が大きな声で怒鳴るようにしましたが、効果はないし何故か妻まで「怖すぎるからやめて」と言われて四面楚歌。
私自身、怒鳴ることに意味はないと思ってはいましたが、妻が怒りつけるのをそばで聞いているのもしんどいんですよね。私が怒鳴ることで子供が止めるのであれば、というのと、妻が些細なことで怒り始めるので、それ以上怒らせないようにという狙いはあったのですが。いいことひとつもなかったですね。
何より、一度怒鳴り始めると、怒鳴る側の怒るハードルが下がることと、子供も刺激になれて「怒鳴られてもいいからやる」になって、エスカレートしていくだけなんですよね。
基本的には、「怒る」の効用は一次的で使用回数も限られている物だと思った方が良さそうです。つまり、「本当にやめてほしいこと」の時にだけ、年に数回しか使えない必殺技だと思って「怒る」を選択することになりそうです。
怒らずに伝えるということ
怒るが最終手段ということは、普段は怒らずに「伝える」ことだけに徹します。
私が失敗したのは、「集中して聞いてもらう」ために、話をするときは、おもちゃを取り上げていたこと。怒らないにせよ、気楽に聞いてもらうためには遊びながらでもいいんです。
少し文字などもわかるようになれば、親も伝える内容をまとめるために、一度書き出してもいいですね。クールダウンにもなりますし。
怒るべき悪いことリスト
最後に、自分の行動を振り返りながら、「これはもう怒ることじゃないな」というものと「これだけはしっかり怒るようにしよう」というものを振り分けておきます。たまに、自分の行動を客観視できるのはいいことかもしれません。
怒らなくてもいい行動例
- おもらしなどのトイレ関連の失敗(怒るとむしろ失敗する悪循環)
- 公衆の場での悪ふざけ(騒ぐよりも無関心の方が効果的)
- 親の大切な物を意図せず壊す(片付けておかない方も悪い)
- 意図せず相手を傷つける
- 着替えなどに取りかかれない
- 片付けができない
- テレビばかり見てしまう
- 偏食
- ものをこぼす
怒るべき行動例
- 火事につながる行動
- 風呂場で遊ぶこと(死亡例が多い)
- 階段で遊ぶ(転落事故は後遺症につながる)
- ドア・ガラスで遊ぶこと(切断事例が多い)
- 我慢できずに叩いてしまう(悪いとわかってやっていたら形式的には怒る、怒りすぎない)
- 怒られると本人がわかっていて、相手が嫌がることを続ける(子供が怒られるラインを探っている可能性があるので、怒るべきところでしっかりと怒る、曖昧にしない)
基本的には、想定される事故などが致命的なもの、あとは「本人も怒られる」とわかっているもの、にわけられると思います。
怒られる時は怒られることを知る
難しいので、わかりづらい時は怒らない選択でもいいと思うのですが、子供は「悪いと思っていても興味本位でやってしまう」ということがあります。
ADHDの私からすると、パッと思いつきで悪いとおもわずにやった結果、「とんでもなく悪いことだった」という事例と、親から禁止されているけど一度は試してみたいこと、などの悪戯パターンがあります。前者は意図せず悪いことになった場合で、これについて「悪いことだった」という学習につながればそれでいいのですが、後者の場合はやっぱり怒られるべきだと思います。
親も面倒くさがって、注意するときとしない時があったりするのですが、注意しない時があると子供は「あっ、やっていい時もあるんだな」と勘違いします。そして、都合よく解釈するので、1回でも大丈夫だと思うと「次も大丈夫だ」と思ってエスカレートしがちです。
エスカレートしても危険がないことだったらいいのですが、例えばカッターを使うときは必ず親と一緒ということを伝えて、親が少し用事がある時にもちゃんと回収する。「少しの時間だからいいか」はしない。親がいない時に一人でやっても大丈夫だという認知にすり替わります。
コメント
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この記事では、不登校の子どもを持つ親が直面する問題とその解決策について述べられています。親子間の対立が生じる背景には、子どもが「学校に行きたくない」と訴える一方で、親が「行きなさい」と強制することがあると指摘されています。このような強引な対応は、子どもの孤立感を深めるだけで、心の回復にはつながりません。
多くの親は、子どもを愛しているがゆえに、学業や将来を心配し、適切な相談先がないために孤独感を抱えています。学校の先生は不登校の対応に慣れていないことが多く、家庭訪問などの提案は子どもにとって逆効果になることもあります。
重要なのは、子どもに「休息の場」を提供することです。家庭がその場所であることが望ましく、子どもが心を落ち着け、傷を癒すことができる環境を整えることが大切です。文部科学省のデータによれば、不登校だった子どもの多くは、後に進学や就労を果たしています。したがって、親は子どもを否定せず、安心して休むことを許可することが重要です。
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