2026年度から全国で本格実施された「こども誰でも通園制度」は、保育所や認定こども園、幼稚園などに通っていない0歳6か月から満3歳未満の子どもが、保護者の就労状況にかかわらず利用できる新しい通園制度です。
全国制度としての基本は月10時間まで、利用料は1時間300円程度が国の示す標準額です。ただし、利用可能時間や料金、受入曜日、食事代などは自治体・事業所によって異なる場合があります。「10時間×300円=必ず月3,000円」と決まっている制度ではありません。
この記事では、こども家庭庁の2026年9月2日版Q&Aと利用者向け公式ポータルをもとに、「自分の子は対象か」「いくらかかるか」「どう申し込むか」「市外でも利用できるか」まで、利用前に必要な情報を整理します。
| 確認したいこと | 制度の基本 |
|---|---|
| 対象 | 保育所等に通っていない0歳6か月~満3歳未満 |
| 就労要件 | なし |
| 利用時間 | 月10時間までが基本 |
| 利用料 | 1時間300円程度が標準。全国一律ではない |
| 利用前 | 市町村の認定と利用施設での事前面談が基本 |
こども誰でも通園制度とは?2026年度から全国実施
こども誰でも通園制度は、こども家庭庁が「全てのこどもの育ち」を応援し、子育て家庭を働き方やライフスタイルにかかわらず支えるために設けた制度です。2025年度に制度化され、2026年度からは子ども・子育て支援法に基づく新たな給付として全国の自治体で実施されています。
従来の保育所利用では、保護者の就労など「保育の必要性」が利用条件になります。一方、こども誰でも通園制度では保護者が働いているかどうかを利用条件にしません。家庭で子育てしている子どもにも、家庭以外の人や環境と関わる機会をつくることが制度の大きな特徴です。
ただし、毎日長時間通う通常の保育所の代わりになる制度ではありません。月一定時間の枠の中で利用する仕組みなので、まずは「短時間の通園機会を全国制度として用意したもの」と捉えると分かりやすいでしょう。
誰が利用できる?対象年齢と条件
公式の利用者向けポータルでは、対象を「保育所、認定こども園、幼稚園等に通っていない0歳6か月から満3歳未満の子ども」と案内しています。自治体が独自事業として対象を広げる場合を除き、国制度の対象年齢はこの範囲です。
| 状況 | 国制度の対象の考え方 |
|---|---|
| 0歳6か月~満3歳未満で、保育所等に在籍していない | 対象 |
| 生後6か月未満 | 施設利用は対象外。利用申請や事前面談の予約は可能 |
| 保育所・認定こども園・幼稚園等に在籍 | 原則として対象外 |
| 一時預かりを利用している | その他の対象要件を満たせば利用可能 |
| 児童発達支援センター・児童発達支援事業所等を利用している | その他の対象要件を満たせば利用可能 |
年齢の扱いには少し注意が必要です。2026年度Q&Aでは、満3歳未満の利用可能期間について「3歳の誕生日の前々日まで」と示されています。誕生日直前に利用予定がある場合は、自治体や利用施設にも確認しておくと安心です。
利用時間は月10時間が基本

国のこども誰でも通園制度では、1人あたり月10時間が利用可能時間の基本上限です。自治体が独自の費用負担で10時間を超える利用枠を上乗せすることは認められています。
一方、2026年度・2027年度には提供体制に関する経過措置があります。自治体が経過措置を使って月3時間など10時間未満の利用枠を設定した場合、その自治体の認定利用者は設定された時間が給付上限になります。
月10時間は、たとえば「2時間を月4回なら8時間」「3時間を月3回なら9時間」という規模です。実際に何曜日・何時間の枠を予約できるかは事業所ごとに異なるため、制度上の上限と予約可能な時間は分けて考える必要があります。
料金は1時間300円程度が「標準」|全国一律ではない
2026年度Q&Aでは、利用料について1時間あたり300円程度を標準としています。ただし、300円は全国一律の固定料金ではありません。利用料は事業所が保護者の同意を得て設定する仕組みです。
そのため、「月10時間使うから必ず3,000円」とは限りません。さらに、昼食・おやつ代などの実費について、保護者の同意を得たうえで別途徴収することも認められています。予約前に「1時間あたりの利用料」「食事・おやつ等の実費」「キャンセル時の扱い」を確認しておくと分かりやすいでしょう。
制度上は、生活困窮家庭等の負担軽減に対応する加算も設けられています。実際の減額方法や対象確認は自治体・事業所の運用によるため、該当しそうな場合は居住自治体へ確認してください。
利用するまでの流れ|申請から事前面談・利用まで

利用者向け公式ポータルでは、基本的な流れを「利用申請→事業所を探す→事前面談→利用」と案内しています。最初に、お住まいの市町村が定める方法で利用認定を申請します。
- 1. 利用申請:居住する市町村が定める方法で認定を申請します。
- 2. 事業所を探す:認定後、総合支援システム等で利用できる事業所を探します。
- 3. 事前面談:利用予定の事業所と面談し、子どもの特徴や生活状況などを共有します。
- 4. 予約・利用:施設の受入枠を確認し、予約して利用します。
申請方法は自治体ごとに異なります。こども家庭庁のサイトでは紙の認定申請書を作成できますが、自治体によってはマイナポータルの「ぴったりサービス」などオンライン申請に対応している場合があります。先に自治体の案内を確認するのが確実です。
事前面談は単なる手続きではありません。アレルギー、睡眠や食事、普段の過ごし方、発達面で気になることなど、短時間の利用でも安全に過ごすために必要な情報を伝える機会として活用するとよいでしょう。
どんな施設を利用できる?予約・親子通園のポイント
実施事業所には、保育所、幼稚園、認定こども園、小規模保育事業所、地域子育て支援拠点、児童発達支援センターなど、設備や運営の基準を満たして制度を実施する施設があります。すべての保育施設が自動的に対象になるわけではありません。
曜日や時間帯は事業所ごとに異なります。国のQ&Aでは土日実施や時間帯について全国一律の決まりは設けていないため、実際には地域の提供体制と各事業所の受入枠を確認する必要があります。
また、事業所によっては子どもが環境に慣れるまで親子で利用する「親子通園」を勧める場合があります。ただし、国は親子通園が長期間続いたり、恒常的な利用条件になったりしないよう留意を求めています。

複数の施設を利用することも制度上は想定されています。その場合は、利用する施設ごとに契約が必要です。子どもが慣れやすいか、家庭の予定に合わせやすいかも含めて施設を選ぶとよいでしょう。
市外の施設も使える?広域利用と里帰り
2026年度からは給付制度として実施されているため、国のQ&Aでは、市町村が「他市町村の住民だから利用できない」と一律に扱う権限はないと整理されています。自治体間の協定も広域利用の必須条件ではありません。
里帰りなどで住民票を移していない場合も、利用認定の申請窓口は住民票がある自治体です。そのうえで、里帰り先の事業所を利用する仕組みが想定されています。
ただし、実際に予約できるかどうかは事業所の空き状況に左右されます。また、自市民向けの優先予約や自治体独自の上乗せ制度などがある場合、同じ条件で使えるとは限りません。市外利用を予定している場合は、認定自治体と利用予定施設の両方を確認しておくのが安全です。
一時預かり・児童発達支援を利用中でも使える?
一時預かりを利用していることだけを理由に、こども誰でも通園制度の対象外になるわけではありません。2026年度Q&Aでは、その他の対象要件を満たしていれば利用対象になるとされています。
児童発達支援センターや児童発達支援事業所などに通っている子どもについても、同様に他の対象要件を満たせば利用対象になり得ます。
ただし、「制度上の対象になること」と「希望する施設が安全に受け入れられること」は別です。医療的ケアやアレルギー、発達面で個別の配慮が必要な場合は、設備・職員体制を含めて事前面談で確認してください。
利用前に確認したいチェックポイント
制度の基本が全国共通でも、実際の使いやすさは地域と事業所で変わります。初回予約の前に、次の項目を確認しておくと行き違いを減らせます。
- 自分の子どもが利用認定の対象になるか
- 居住自治体の利用可能時間が月何時間か
- 事業所の1時間あたり利用料と、食事・おやつ等の実費
- 利用できる曜日・時間帯と予約方法
- 初回の事前面談で必要な書類や持ち物
- アレルギー、服薬、発達特性、医療的ケアなどの受入体制
- 子どもが慣れるまで親子通園を行うか
- キャンセルや予約変更のルール
特に「国制度では使えるはずなのに、近くで予約できる施設が見つからない」ということは起こり得ます。制度上の利用資格と、地域の受入枠は別の問題なので、早めに施設検索まで進めておくと実際の利用イメージをつかみやすくなります。
よくある質問
親が働いていなくても利用できますか?
はい。こども誰でも通園制度は、保護者の就労要件を問わず利用できる制度です。対象年齢や保育所等への在籍状況など、その他の条件を満たす必要があります。
生後6か月になる前に申し込めますか?
公式ポータルでは、生後6か月未満でも利用申請と事前面談の予約は可能と案内されています。ただし、施設の利用予約は生後6か月になる前にはできません。
月10時間を超えて利用できますか?
国制度による給付は月10時間が基本上限です。ただし、自治体が独自負担で上乗せ制度を設けることは可能です。反対に、経過措置で10時間未満に設定されている自治体もあるため、居住自治体の利用枠を確認してください。
複数の施設を使えますか?
制度上は複数施設の利用が想定されています。ただし、施設ごとに利用契約が必要です。月の利用可能時間は合計で管理されます。
一時預かりと同じ制度ですか?
同じではありません。両方とも短時間子どもを預けられる場面がありますが、制度の目的や対象、利用枠の考え方が異なります。一時預かりを利用していても、誰でも通園の対象要件を満たせば利用できます。
まとめ|まずは居住自治体の認定方法と利用枠を確認
こども誰でも通園制度は、保護者が働いているかどうかにかかわらず、未就園の0歳6か月から満3歳未満の子どもが家庭外で過ごす機会を持てる新しい全国制度です。
- 対象は原則、保育所等に通っていない0歳6か月~満3歳未満
- 就労要件はない
- 利用時間は月10時間が基本だが、自治体による差があり得る
- 利用料は1時間300円程度が標準で、全国一律ではない
- 利用前に市町村の認定と事業所での事前面談が基本
まずは居住自治体の案内で「利用認定の方法」と「実際に使える月の時間数」を確認し、その次に通える事業所の受入曜日・料金・面談方法を確認するのが最短です。
参考にした公的資料
- こども家庭庁「こども誰でも通園制度について」
- こども家庭庁「こども誰でも通園制度」利用者向けポータル
- 令和8年度 こども誰でも通園制度に関するQ&A【第2版】(2026年9月2日)
- 乳児等支援給付(こども誰でも通園制度)認定申請書




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