緊急時にはあくまでも医療機関へのご相談をお願いします。
個々の症状につきましてはかかりつけの医療機関にご相談ください。
先日、「熱中症」の記事を書いた時に、やはり高齢者の対応は別に用意したほうがいいと思いました。
というのも、熱中症リスクが高い上に、注意点も少し異なってきます。
視点がぼやけるので、今回は「高血圧」と「糖尿病」に着目し記事にしました。
配偶者の方や、一緒に住む息子様世代は、ご自分のご家族の既往はご存知かと思いますが、普段一緒に住まれていない方、お孫さんと一緒のおでかけだと、意外と「あれ、うちのじいさん、薬なんて飲んでたかな」なんて知らないこともありますよね。
気温が高い日に、何かのイベントなどで一緒に外出の際には、ぜひ、「お薬手帳」をご持参いただければ、緊急時の医療的な対応がはやくなりますよ。
高血圧と糖尿病に注意が必要な理由
2つの疾患は共通項もあるが別物でもあるので、あまり一緒くたにするのはよろしくないのですが。
ただ、相互に合併しやすい病気ではある、「糖尿病」と「高血圧」があることで注意すべきポイントやリスクなどが変わってきます。。理由はちょいと複雑なのですが、わかりやすいところを説明します。
- 脱水による合併症の危険性
- 内服薬による影響
- 多量の糖分(ジュース)摂取による高血糖と脱水の悪化
- 水分摂取、塩分摂取による腎臓への負荷(透析治療などしていれば)
などなど、挙げればキリはないのですが、熱中症がひきがねとなって、べつの病気もあらわれるから、「クーラーの効いた部屋につれてきたから大丈夫」では終わらないでほしい、という話です。
それで、誤解を産む前に先に言っておきますが、慎重になるのと、行動しないのは全く別の話で、熱中症が重度になれば、当然、優先順位は命の危険性のある脱水状態からの回復になります。
結局のところ、「早めに医療者に相談を」という、行き着くところは一緒です。ただ、ご家族の方は、最低限、普段飲んでいるお薬やかかりつけの医者については、答えていただけると、医療者としてはありがたいです。
熱中症で脱水を起こすと血液循環が悪くなる
熱中症と脱水の関係について解説します。
血液ドロドロで血管がつまりやすくなる
熱中症になると、からだの中が水分の少ない状態、いわゆる「脱水状態」になります。
脱水になると、水分が減るので、血液が少なく、しかも濃くなります。血液循環が悪くなることで、血管がつまりやすくなります。
ナトリウムなどの電解質が不足することで「不整脈」がおこる
「塩分もとって」はみなさんご存知の熱中症対策となりました。これは、水分と一緒に、電解質が失われるため、それを補給しよう、ということです。
実は、電解質には他にも役割があって、心臓の拍動にも影響を与えると考えられています。不整脈になると、心臓や脳の血管に、血の塊が飛びやすくなる「血栓症」が起こりやすくなります。
このふたつの要因から、脱水になると心疾患や脳血管疾患(脳卒中)になるリスクが高まると考えられています。
これら二つは、いわゆる日本人の死亡原因疾患の2位と3位ですからね。
脳卒中の症状と脱水の症状が混同しやすい
熱中症ばかりに頭がとらわれると、対応が遅くなることがあります。
普段、「変な吐き気が」「頭痛がすごい」となれば、すぐに救急車となりますが、ちょいと今(2018年7月)、過熱報道気味に「熱中症」が皆さんの頭に刷り込まれています。
これが少し怖いなぁ、と思っていて、脳卒中で頭がいたくてめまいがして倒れたのに、「涼しいところで寝かせておけば治るかも」で治療が終わってしまうのが考えられます。
高齢者の場合は、熱中症にも合わせて「違う可能性もあるかも」は頭に入れておいてほしいです。
内服薬による影響
高血圧と糖尿病を治療中の高齢者はとても多いです。
高血圧患者は1,010万人、糖尿病患者は316万人います(2014年)
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2015/024568.php
そして、高齢になる程、だいたい内服しているお薬があります。
「病院が同窓会会場」「飲んでいる薬自慢」なんてよく川柳のネタにされてますよね。
高血圧のお薬と熱中症
血圧の薬、降圧剤には利尿薬もあります。つまり、薬によって積極的におしっこを排出する効果のあるものもあるのです。
当然、その作用が強ければ、必要以上におしっこが出てしまって脱水となる可能性もあります。熱中症により血液の水分量が変わると、お薬の効果も普段と異なることがあります。
糖尿病の症状としても「多飲・口渇・多尿」があります。
加えて、一部の経口血糖効果薬(sodium glucose cotransporter)には、尿糖、つまりおしっこの中に含まれている糖分の排泄を下げることで、血糖値を下げることを目的としている薬もあります。
実はこのタイプの血糖値を下げるお薬、多尿による脱水が副作用として起こりうる、とされています。
血糖が上がると浸透圧が変わって脱水が深刻になる
続いて、熱中症と血糖の話。
多量の糖分摂取にも注意
糖尿病を患っている高齢者の方も多いです。
例えば、経口補水液としてスポーツドリンクを多飲される方も多いかと思いますが、当然、この結果として高血糖となる可能性はあります。
経口補水液には糖分の少ないタイプのものもあるので、イベントなどで緊急的に飲んでいただく場合には、経口補水液の糖分、塩分濃度にも気をつけていただければ、と思います。
オーエスワンは糖分と塩分についての回答がありましたので載せておきます。
オーエスワンにはナトリウムとカリウムが比較的多く含まれており、また100mLあたりブドウ糖が1.8g含まれていますので、食事指導を受けていらっしゃる方は、かかりつけの医師にご相談ください。
高血糖が脱水を悪化させる可能性も
これを数行で説明するのはとても難しいのですが、完璧な理解は今回は不要ということで、簡単に説明します。
血糖が上がると、浸透圧利尿といって、体の細胞の中の水分が、血液の中にでてきます。
今度は血液の水分が多くなって、この多くなった水分(細胞から奪われた水分)は最終的には汗や尿となって体外に出ることで水分が奪われます。(高浸透圧血症)
これはさらに高度な高血糖症状を引き起こすメカニズムにもなるのですが、さらに詳しくは下記のサイトをご覧ください。
糖尿病の慢性合併症について知っておきましょう|糖尿病情報センター
これは、成人と比べると、「意外と早く脱水が進むこともあるかも」ということを頭に入れてほしい例です。
つまり「治療の緊急性があがる」ケースもあるので、これもやはり医療機関への連絡がほしいパターンです。
腎臓に疾患がある場合は特に注意
高血圧に関連しますが、腎臓に病気がある方は、ご本人たちは医者からよく指導を受けていると思います。そのまま医師の指示を守っていただければと思います。
ご家族様は、腎臓に病気があることを、熱中症の際には合わせてお伝えいただければ幸いかと思います。普段の水分・塩分制限量、体重など把握しておければいいかと思います。
高齢者が熱中症リスクが高い理由
このあたり、2018年の連日の猛暑により報道されていたので、ご存知の方も多いかもしれません。
今回は私の家で注意していることを中心に載せていきます。
体が老化する、麻痺がある、動きたくない、で心理的に水分を制限
トイレに行くのが億劫になるんですよね、歳をとると。とくにイベントごとなんかでトイレの心配があると、水をあえて飲まない方、結構いらっしゃいます。
2018年は猛暑、みなさん気をつけて水分取ってましたが、リスクが高まる5月から6月、あるいは急に暑い日が来る秋なんかは、あまり注意されない方、多いんじゃないでしょうか。
高齢の方が参加されるイベント関係の方は、気温、室温に目を配って、適宜飲水時間を設けるなどの対応がとれるといいと思います。
「喉が乾いてないから大丈夫」という
高齢になると、感覚も老化します。老化を認めたくない方もいらっしゃるかもしれませんが、神経系は正直です。
認知機能が落ちると、水を勧めても嫌がられることがあります。
できれば、定期的に「おやつの時間」「お茶の時間」などを設けて習慣化しておくと、水分摂取に抵抗がなくなり、かつ時間を決めて飲んでいただけたりします。
厚着を好む
感覚鈍麻にあわせて、高齢の方は多少暑いくらいだと「寒いな」と感じられる方もけっこういらっしゃいます。認知機能が落ちると著名にみられます。
もちろん、無理に脱がせることはないのですが、発汗も周囲からわかりづらくなるので、適宜様子をみながら、室温など調整するといいと思います。
目の前で温度を下げると「寒い寒い」と言って温度上げたりしますけどね。
このご時世、本人がいいと言っても、高温で放置することは倫理的な問題になりかねません。本当に注意しましょう。
クーラーは放っておくとすぐに消す
口酸っぱく「クーラーつけてね」と言いますが、高齢の方はクーラーを使うことに罪悪感があるのか、
夕方になると消したりします。でも、夜になるから涼しくなるとは限らないのが最近の猛暑。
やはり、もったいないという気持ちが働くようです。
もちろん、エコの観念はすごく大事ですが、熱帯夜が予測される際には、それとなくクーラーを点けにいったりします。
エアコンのリモコンがうまく使えない
エアコンのリモコン、最近のものはだいぶ文字も大きくなりました。
ですが、それでも視野が霞んでよく見えないことがあります。また、糖尿病から網膜症につながったり、白内障があればかなり見づらいんですよね、リモコン設定。
これ、気がつくとなぜか設定が「暖房」になったりしてることがあるんで、「使い慣れたリモコン」だからといって安心せずに、たまに室温とか設定、確認してみてください。
妙に暑いな、と思ったら温風が出てた、なんて笑い話、この猛暑じゃまったく笑えないですよね。
まだまだありそうですが、多くなりすぎると今度は読みづらくなるのでこの辺りで。
おわりに
いろいろな情報源から事前に調べておくと、様々なリスクを勉強できます。
気になることがあれば、より勉強を深めていただければこの記事の活用法としても意味があったな、と筆者は嬉しく思います。
私自身、勤め始めるとなかなかまとまって勉強する時間が取れず、「あれ、これは知らなかったな」と気づかされるものもありました。
リンク元の情報をまとめてはいますが、あくまでも内容については私の責任ですので、医療関係の方で気になる箇所があれば問い合わせなど利用してご指摘いただければ幸いです。
不適切な内容があれば削除いたします。
コピペフリーなのでブロガーは自分の記事に活用してください
医療関係の方で、自身のブログなどで広めたい情報があれば、コピペなどして自由にお使いください。リンクも不要です。
私が感じた熱中症の危険性ではありますが、何かの役に立つ情報があれば、選び抜き(できれば修正した上)で拡散のほど、お願いします。
コメント
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